不正アクセスなどで止まったサービス一覧(10月20日時点)公式発表と利用者がやること

止まったサービス、何が分かっている? 公式発表と、利用者がまずやること(自作の図) ニュース
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このワダイ、3行で

  • 2026年10月に入り、『IDCFクラウド』『コミックシーモア』などは「不正アクセス」を、『カーセンサーnet』は「不審なアクセスを検知」を理由に挙げるなど、言い方は会社ごとに違いますが、止まったサービスの発表が続いていて、このページの一覧は10月20日23時時点で13件です。
  • これらが同じ原因なのかは、JPCERT/CCが「すべての事案で同一の攻撃手法が使用されていることを示すものではない」と書き、警察庁長官も「背景や関連性は明らかではない」と述べたと報じられていて、まだ分かっていません。
  • 利用者がまずやることは、自分が使うサービスの公式のお知らせを見ることで、そのうえでパスワードの使い回しを見直し、不審なメールやSMSのURLを開かないことです。

『コミックシーモア』、ゲオ、『ふるさとチョイス』、『カーセンサーnet』。10月に入ってから、名前を聞いたことのあるサービスが、「不正アクセス」「不正アクセスの疑い」「不審なアクセスの検知」などを理由に止まったというお知らせが、毎日のように出ています。「また止まったの?」「同じ犯人なの?」と思った人も多いはずです。

このページは、2026年10月20日23時時点の内容です。各社の公式のお知らせは、『ゆうゆうポイント』を除き、10月20日の15時台と23時台に自分たちで開いて確認しました。『ゆうゆうポイント』の行だけは、10月21日朝に日本郵便の公式お知らせ(10月20日付)を開いて確認し、その内容に直しています(報道を併記している点は、その旨を書いています)。状況は1日単位で変わるので、新しい発表があれば、一覧に行を足したり書き直したりして、時点も書き換えます。再開すると、リンク先のお知らせの文面も変わることがあります。

先に、言葉を3つ説明します。不正アクセスは、IDやパスワードの持ち主ではない人が、サービスの仕組みに入り込むことです。ランサムウェアは、データを暗号化して使えなくする不正なプログラムのことです。漏えいは、サービスが持っていた利用者の情報が、外に出てしまうことです。このページでは、サービスが「止まった」話を中心にして、「漏れた」話は混ぜないようにします。

止まったサービスの一覧(10月20日23時時点)

各社の「公式の言い方」は、言い換えずに原文のまま書いています。同じ「止まった」でも、「不正アクセスが発生」と言う会社と、「不審なアクセスを検知」と言う会社があるからです。

サービス(運営) 止まった時期(2026年) 公式の言い方 10月20日23時時点の状況(『ゆうゆうポイント』のみ10月21日朝確認)
『IDCFクラウド』東日本リージョン1の一部(IDCフロンティア。企業や自治体向けのクラウド) 10月7日 3時40分ごろ〜 第1報は「第三者からの不正アクセス」。同じ日の第2報で「第三者からのランサムウェア攻撃によるものであることが判明」。影響は「IDCFクラウドを契約している495の企業や自治体」 全体の再開は未発表。10月18日の第6報で『IDCFクラウド バックアップ』の提供を再開(スナップショット機能は停止のまま)。10月14日の第5報は、東日本リージョン1の一部のゾーン(tesla・henry・pascal・joule)の仮想サーバー内データについて「外部へのデータの流出はなかったと判断」(radian・newtonのゾーンと、ほかのリージョンは調査継続)。同じ第5報で、ポータルの登録情報に対する「不正な照会が行われたこと」が48社分確認されたとし、持ち出された痕跡は確認されていないとしています(第1報・第5報・第6報)
『コミックシーモア』(NTTソルマーレ) 10月15日 11時35分ごろ〜 10月15日は「外部から不正なアクセスが行われた可能性が高いと判断」。10月16日は「会員情報を管理するシステムへの不正アクセスと、会員情報の第三者への流出を確認」。10月18日の第3報は「原因については特定ができ、現在は同様の不正アクセスおよび被害拡大の防止措置を実施しております」(具体的な手口は書かれていません) 10月18日の第3報でも、再開日時は「確定次第速やかにお知らせ」で未定。安全性の確保がされた段階で、購入済み書籍のWEB閲覧から順次再開できるよう準備を進めていて、再開時は全会員にパスワードの再設定をお願いするとしています。会員情報の流出は10月16日に公表(公式。くわしくは別のワダイ)
Joshin(家電量販店) 10月16日に認識、17日に発表 「当社のネットワークが第三者による不正アクセスの影響を受け、一部のサービスをご提供できない状態」。「現時点では個人情報漏洩の可能性も否定できません」。個人情報などの情報流出の有無は「確認中」 再開は未発表。どのサービスが止まっているのかも、公式には書かれていません。個人情報保護委員会(個人情報の扱いを監督する国の機関)へは第一報を出したとされています(公式PDF)
『カーセンサーnet』(リクルート。アプリと、販売店向けの『C-match』を含む全サービス) 10月17日 17時ごろ〜 「外部からの不審なアクセスを検知」。「顧客と取引先の安全確保と影響の確認のため」。「不正アクセス」とは書かれていません 再開は「見込みが立ち次第」。確認できた範囲では、漏えいの発表はなく、調査中です(サイトのお知らせ。リクルートのニュースルームの一覧には、10月20日23時台の時点でも今回の件は載っていませんでした)
『JFA Passport』(日本サッカー協会の公式アプリ) 10月18日発表。一部機能を一時停止(どの機能かは非公表) 「第三者による不正アクセスが発生」。発生は10月17日の3時25分ごろから19時ごろまで 再開は未発表。影響は調査中。当面、アプリのログアウト・再ログイン・再インストールを控えるよう案内しています(公式)
『Renta!』(パピレス。電子書籍) 10月18日〜 サイトの表示は「臨時のサーバーメンテナンス実施のため、現在サービスを一時停止」。このサイトの表示に、不正アクセスという言葉はありません。10月19日の公式Xの告知として「外部からの不正なアクセスの可能性があることを把握したため」と報じられています(ITmedia) 再開は未定。影響の範囲は調査中と報じられています。公式Xの原文は、まだ確認できていません(サイト・ITmedia)
ゲオ、セカンドストリート、ゲオモバイルなどのアプリ・Web・通販(セカンドリテイリング、ゲオ) 10月17日 21時〜 10月19日付の公式のお知らせで、「2026年10月15日(木)に発生した第三者による弊社システムへの不正アクセス」。調査の結果、「個人情報および機密情報の外部漏洩は確認されませんでした」 再開時期は「終了時期未定」。店頭の買取・購入は通常どおりで、会員証はPontaカードを出す形です(ゲオ・セカンドストリート)
『ふるさとチョイス』(トラストバンク) 10月19日 15時50分に停止 10月19日は「不正アクセスの疑いがある事象を検知」。「被害拡大の防止および安全確保を最優先に」。10月20日の発表は「2026年10月17日(土)に不正アクセスがあったことを確認し、会員の個人情報が外部に流出したことが判明」 再開は「現時点では未定」で、「安全性の確認状況を踏まえ、決定次第お知らせ」としています。10月20日の発表で、『ふるさとチョイス』の会員情報4,454,097件が流出したとしています(氏名、メールアドレス、住所、電話番号、ハッシュ化されたパスワード=元に戻しにくい形に変えて保存したもの、寄附控除試算額)。件数は「今後の調査により変動する可能性があります」とされています。個人情報保護委員会へは10月20日に報告済みで、10月21日に所轄警察署へ被害申告を行う予定です。なお10月5日付で、別の件(Amazon Payの利用時に、他の利用者の申込情報が画面に表示されうる状態だった件。原因は「システムの不具合」とされ、不正アクセスとは書かれていません)のお知らせが出ています。10月19日の停止との関係は、どちらのお知らせにも書かれていません(サイトのお知らせ・10月20日付・10月19日付・10月5日付)
阪急阪神百貨店の予約サイトと、通販『HANKYU HANSHIN E-STORES』『Remo Order』(エイチ・ツー・オー リテイリング、阪急阪神百貨店) 10月16日に予約サイト、17日に通販の2サイトも 10月16日に「顧客管理システムに対する第三者による不正アクセスを確認」し、予約サイトの「システム全体を停止」。17日に通販の2サイトでも不正アクセスが確認されたとして、「両サイトのシステム全体を停止」。10月19日に、共通ID『H2O ID』のうち「約126万件の個人情報の一部が漏えいしたことが判明」 再開は「安全が確認され次第」の予定で、時期は未発表。再開の際はホームページで知らせるとしています。通販の2サイトの漏えいの可能性は「現在調査中」。「不正利用や二次被害の発生は確認されておりません」としています(公式PDF・ITmedia)
『ゆうゆうポイント』公式サイト(日本郵政。『ゆうID』でログインするサイト) 10月16日〜(10月19日発表) 「外部で漏えいしたID・パスワードのリストを用いて、ゆうID 会員になりすました不正ログイン」。10月15日に「不審なアクセスを検知」。ログインされた可能性のあるアカウントは「249件」。これらのアカウントの氏名・住所・生年月日・電話番号・メールアドレスなどが「閲覧された可能性があります」としています。そのうえで「現時点において、当社システムからの情報漏えいは確認されておりません」 日本郵便の公式お知らせ「【サービス再開】ゆうゆうポイントサイト」(2026年10月20日付)で、「2026年10月16日10時20分頃より緊急でサービスを停止しておりましたが、サービスを再開いたしました」としています。郵便局での二次元コード読み込みによる来局ポイント付与も再開したとしています。再開の時刻は、このお知らせからは確認できませんでした。10月19日付の日本郵政のお知らせでは、『ゆうID』の利用者には、パスワードの再設定などの案内を順次メールで送るとしています(再開のお知らせ(10月20日付)・10月19日付の公式PDF)。なお、報道では、再開後もデジタルギフトへの交換は停止が続いているとされています(Impress Watch、10月20日15時42分)。日本郵便の再開のお知らせには書かれておらず、この点は公式では確認できていません
『My SoftBank』『My Y!mobile』『My Menu』のウェブサイト(ソフトバンク。アプリ版は引き続き利用できる) 10月17日 午前8時〜(10月19日発表) 「第三者による不正アクセスの試みがあったことが判明」。「お客さま情報の安全措置の一環として」ウェブサイトを一時的に停止。「不正アクセスの試み」と書かれていて、情報が漏れたかどうかは、お知らせに書かれていません 再開は「後日、準備が整い次第速やかにお知らせ」で、日時は未発表(公式)
『SONICWIRE』『D2R』(クリプトン・フューチャー・メディア。音源の販売サイトと、関連サービス) 10月17日 23時39分ごろ〜(10月19日発表) 「第三者による不正アクセスが行われ」、会員登録した人の個人情報が「閲覧・取得された可能性があることが判明」。「同日23時39分頃に被害拡大防止のため、該当サービスのサーバーを停止する措置を完了」。『SONICWIRE』会員は「最大約42万件」 再開時期は10月19日時点で「未定」。全員のパスワードを無効化したため、復旧後の初回ログイン時に再設定が必要としています。クレジットカード情報は保存しておらず、「現時点で漏えいの事実は確認されて」いないとしています(公式)
『@link(アットリンク)』と、患者向けの『アットリンクアプリ』など(メドレー。医療機関向けの業務支援システム) 10月14日 深夜〜 「第三者による不正アクセスを確認したことを受け、原因および影響範囲の調査と被害の拡大防止のため」提供を一時停止 10月20日23時時点の案内で、10月22日(木)朝7時以降、予約の確認・受付・登録、患者情報の管理、診察カレンダーから順次、新サービス「@link クラウド β版」として再開する予定。再開にあたっては、これまでのシステムを再稼働させるのではなく、別の環境で構築し、予約・患者データ等を移行したうえで提供するとしています。ほかの機能は停止のままで、次に提供を予定する機能は「今週中に改めてご案内」。個人情報への影響は調査を継続中で、10月20日中に予定していた報告は、「追加的に調査が必要な項目が発生した」として「明日以降に延期」するとしています。停止期間中の利用料金は、後日返金する(11月中を目処)としています(公式)

この一覧で再開が確認できたと言えるのは、『IDCFクラウド』のバックアップサービスの一部(10月18日の第6報)と、『ゆうゆうポイント』(日本郵便の公式お知らせ、10月20日付)の2件です。『ゆうゆうポイント』以外は10月20日23時時点の確認です。それ以外で再開の日を公式が示しているのは、『@link』の「10月22日朝7時以降に一部の機能を順次再開する予定」だけで、再開済みではなく予定です。ほかの行には、再開の日を示したものが、この一覧には見当たりませんでした。

『IDCFクラウド』に関わる、もう1件

『IDCFクラウド』と結びつけて公式に書かれているのは、確認できた範囲では、JR東日本の1件だけです。10月9日のJR東日本の発表に、「IDC フロンティア社で発生した不正アクセスに伴い…メール配信用外部サービスが一部使用できなくなる」とあり、『えきねっと』と『大人の休日倶楽部』の会員向けメール配信が、一部できなくなっていました。この件について、JR東日本は10月15日の更新で、「漏えいがなかったと判断したとの報告を受けている」と書いています(JR東日本の発表(PDF))。

一方、ほかのサービスが『IDCFクラウド』を使っているのかどうかは、確認できた範囲では、公式に書かれていません。「関係ある」とも「関係ない」とも、ここでは書けません。

「止まった」と「漏れた」は別の話

止まったサービスでも、漏えいの有無は一つずつ違います。ゲオは「外部漏洩は確認されませんでした」と公式が書いています。『IDCFクラウド』は、東日本リージョン1の一部のゾーンの仮想サーバー内データについて「外部へのデータの流出はなかったと判断」とする一方、ポータルの登録情報への不正な照会が48社分あったとも発表していて(持ち出しの痕跡は確認されず)、残りのゾーンやリージョンは調査が続いています。一方で『コミックシーモア』は、会員情報の流出を公表しました。『ふるさとチョイス』は、10月19日の停止の時点では「不正アクセスの疑い」としていましたが、10月20日に会員情報4,454,097件の流出を発表しました。阪急阪神百貨店は、共通ID『H2O ID』のうち約126万件の個人情報の一部が漏えいしたと公表し、『SONICWIRE』は、最大約42万件の会員情報が閲覧・取得された可能性があるとしています。『My SoftBank』のお知らせには、漏えいの有無は書かれていません。調査中で、まだ何も言えない所もあります。

逆に、サービスを止めないまま、情報が漏れたことだけが発表される例もあります。このページは「止まった」を追うので、漏えいが中心の話は個人情報はなぜ漏れ続ける?『銀のさら』の「最大650万件」は何の数字か、入口から整理のほうで整理しています。

「疑い」「可能性」「検知」。公式の言い方はなぜ違うのか

一覧の「公式の言い方」を、言い方ごとに並べ直します。

  • 「ランサムウェア攻撃によるものであることが判明」:『IDCFクラウド』(10月7日の第2報)
  • 「不正アクセスが発生」「不正アクセスの影響を受け」「発生した第三者による不正アクセス」「第三者による不正アクセスを確認」:JFA、Joshin、ゲオ・セカンドストリート、阪急阪神百貨店、『@link』
  • 「第三者による不正アクセスの試みがあったことが判明」:『My SoftBank』など(「試み」と書かれています)
  • 「第三者による不正アクセスが行われ」、個人情報が「閲覧・取得された可能性」:『SONICWIRE』『D2R』
  • 「外部で漏えいしたID・パスワードのリストを用いて」「不正ログイン」「閲覧された可能性」:『ゆうゆうポイント』(日本郵政)
  • 「不正アクセスが行われた可能性が高い」から「不正アクセスと流出を確認」へ:『コミックシーモア』
  • 「不正アクセスの疑いがある事象を検知」(10月19日の発表)、「不正アクセスがあったことを確認し、会員の個人情報が外部に流出したことが判明」(10月20日の発表):『ふるさとチョイス』
  • 「外部からの不正なアクセスの可能性があることを把握」:『Renta!』(公式Xの告知として報じられたもの)
  • 「外部からの不審なアクセスを検知」:『カーセンサーnet』(「不正アクセス」とは書かれていません)

この言い方の違いが何を表しているのかは、お知らせの文面からは分かりません。調べがどこまで進んでいるかの違いかもしれませんし、会社ごとの言葉づかいの違いかもしれません。だからこのページでは、どの会社の言い方も、強めたり弱めたりせず、原文のまま書いています。

止まっているあいだ、利用者に何が起きるのか

「止まる」と言っても、使えなくなる範囲は会社ごとに違います。公式のお知らせにあったことを、そのまま並べます。

  • ゲオ・セカンドストリート:店頭の買取・購入は通常どおり。会員証はPontaカードを出す。宅配買取の査定結果の確認や承認は、アプリやWebからはできません。ゲオとセカンドストリートで案内が少し違うので、それぞれのお知らせを見てください。
  • 『Renta!』:時間をおいて、あらためて利用するよう案内されている、と報じられています。メンテナンス中に見られなかったレンタル作品は、別に対応を検討している、とも報じられています(ITmedia)。
  • 『コミックシーモア』:再開するときは、全会員にパスワードの再設定をお願いするとしています。
  • 『JFA Passport』:当面、アプリからのログアウト・再ログイン・再インストールを控えるよう案内しています。
  • 『My SoftBank』『My Y!mobile』『My Menu』:ウェブサイトは停止中ですが、アプリ版は引き続き使えると案内しています。
  • 『SONICWIRE』『D2R』:全員のパスワードを無効化したため、復旧後の初回ログイン時にパスワードの再設定が必要としています。
  • 阪急阪神百貨店:『H2O ID』会員には、電子メールで順次連絡するとしています。
  • 『ゆうゆうポイント』(『ゆうID』):パスワードの再設定などの案内を、順次メールで送るとしています。
  • 『@link』:患者向けの新規予約と予約の変更は、予約先の医療機関に直接問い合わせるよう案内しています。
  • 『ふるさとチョイス』:10月20日の発表で、同じメールアドレスとパスワードの組み合わせを他のサービスでも使っている場合は、他のサービスのパスワードを変更するよう、お願いしています。
  • Joshin、『カーセンサーnet』:具体的な利用者向けの依頼は、お知らせの原文にはありません。

止まっている理由についても、各社は「被害拡大の防止」「安全確保」を挙げています。たとえば『ふるさとチョイス』は「被害拡大の防止および安全確保を最優先に」、『カーセンサーnet』は「顧客と取引先の安全確保と影響の確認のため」と書いています。攻撃のせいで止まってしまったのか、被害を広げないために自分たちで止めたのかは、多くのお知らせで書き分けられていません。「止まった」と「止めた」は、お知らせからは区別できない場合があります。

なお、『ジオシティーズ』や『Flash』のように、サービスが終わって見られなくなった昔の例は『ジオシティーズ』や『Flash』はなぜ見られなくなった?にあります。今回は「終了」ではなく、一時的な「停止」です。再開するのかどうかを含めて、公式が示している範囲は会社ごとに違うので、終わった例と同じ扱いにはしません。

これは同じ原因なのか。公式が言っていること、言っていないこと

ここがいちばん気になるところだと思います。結論から言うと、同じ原因かどうかは、公式も警察も示していません。

公的機関が言っていること

  • JPCERT/CC(ネットの安全に関する情報を出している民間の団体)は、10月8日の注意喚起(10月9日更新)で、2026年9月前後から、国内の組織で不正アクセスによる個人情報の漏えいが相次いでいる、と書いています。ただし、把握している情報は「限定的かつ断片的」で、載せた手法の情報は「すべての事案で同一の攻撃手法が使用されていることを示すものではありません」としています(JPCERT/CC)。
  • この注意喚起が「相次ぐ」と言っているのは、主に漏えいのほうです。サービスが止まる動きそのものを指しているのかどうかは、書かれていません。ここは、このページの読みで、確かめられたことではありません。
  • NICT(国の研究機関)は10月13日、国内で相次ぐ情報漏えいの「原因の一つ」として、公開されているAndroidアプリを解析して接続先のサーバーを狙う攻撃を特定した、と発表しています。そのうえで、この攻撃手法には「不明な点も多く」と書いています(NICT)。「原因の一つ」であり、今回止まったサービスがこれに当たるとは、書かれていません。
  • 警察庁長官は10月16日、背景や関連性は明らかではない、と述べたと報じられています(産経新聞が配信し、ITmediaに載った記事。警察庁の一次資料は、まだ確認できていません。ITmedia)。

言っていないこと、分かっていないこと

  • 止まったサービス全部に共通する攻撃者や原因。公式にも警察にも、そう述べたものは見当たりません。
  • 『IDCFクラウド』の件と、ほかのサービスのつながり。JR東日本の1件を除いて、確認できた範囲では、公式に書かれていません。
  • 止まった、または認識された順番(10月7日の『IDCFクラウド』、15日の『コミックシーモア』、16日のJoshin、17日の『カーセンサーnet』……)は事実ですが、順番に起きたことが、原因でつながっていることを示すわけではありません。

つまり、「なぜこんなに続くのか」には、今のところ「分かっていない」としか答えられません。公式が言っている範囲では、調べている途中の会社が多く、それぞれが調査している段階です。

昔にもあった。長く止まって、少しずつ戻った例

サービスが止まってから再開まで時間がかかった例は、2024年の『ニコニコ』にもあります。公式の発表で確認できた流れを並べます。

日付(2024年) 出来事
6月8日 早朝から『ニコニコ』のサービス全般が使えなくなる。ドワンゴの発表では、原因はランサムウェアを含む大規模なサイバー攻撃(ドワンゴ、6月14日の発表)
6月14日 暫定版の『ニコニコ動画(Re:仮)』を公開。復旧には1か月以上かかる見込みと発表
8月5日 15時に『ニコニコ』が再開(『帰ってきたニコニコ』)(ニコニコ公式ブログ)

6月8日から8月5日まで、約2か月です。ただし6月14日からは暫定版が使えたので、2か月ずっと全部が止まっていたわけではありません。同じ日(8月5日)に、ドワンゴはこの攻撃による個人情報の漏えいも発表していて、外部に出たことが確認されたのは計254,241人分でした。一方、『ニコニコ』ユーザーのアカウント情報とクレジットカード情報は、ドワンゴからの漏えいは確認されていない、と書かれています(KADOKAWAの掲載ページ)。

2024年と今回を並べて言えるのは、「止まっているあいだの進め方」が似て見える点です。2024年は暫定版を先に出し、あとから全面再開しました。今回も『コミックシーモア』は、購入済み書籍のWEB閲覧から順次再開する準備をしている、と書いています。ただ、2024年はランサムウェアを含む攻撃と発表されています。今回は、確認できた範囲では、『IDCFクラウド』以外でランサムウェアと公式に書いている所は見当たらないので、同じ型の出来事とは言えません。

利用者がやること

1. まず、自分が使っているサービスの公式のお知らせを見る

一覧のとおり、会社ごとに依頼の中身が違います。たとえば『JFA Passport』は、アプリを使っている人に、「当面の間、アプリからのログアウト、再ログイン、再インストール等の操作はお控えください」と案内しています。『JFA Passport』を使っている人は、まずこの依頼に従ってください。『コミックシーモア』は、再開したときに全会員にパスワードの再設定をお願いするとしています。一律の対処はないので、自分のサービスの公式のお知らせが最優先です。

2. パスワードの使い回しを見直す

『コミックシーモア』の公式は、同じメールアドレスとパスワードの組み合わせを使っている他のサービスがあれば、そちらのパスワードを変えてほしいとお願いしています。『ふるさとチョイス』と『SONICWIRE』の公式も、同じ組み合わせを他のサービスで使っている場合は変更してほしいとお願いしています。警察庁も「基本的なセキュリティ対策」で、複数のIDでパスワードを使い回さないこと、推測されやすい単語や生年月日を含めないことを挙げています。

ここで大事なのは、サービス側のシステムに入り込まれた場合、原因は利用者のパスワードの強さではない、ということです。利用者が責められる話ではありません。ただ、同じパスワードを複数のサービスで使っていると、どこか1か所で情報が出てしまったとき、別のサービスにも入られるおそれがあります。それを防ぐための見直しです。

3. 不審なメールやSMSのURLを開かない

『コミックシーモア』の公式は、身に覚えのないメールに書かれたURLや添付ファイルを開かないよう呼びかけています。阪急阪神百貨店も、同社を装った不審なメール、SMS、電話に注意してほしいと呼びかけています。『ふるさとチョイス』も、同社を装った不審なメール、SMS、電話、郵便物に注意するよう呼びかけています。「パスワードの再設定のお願い」を装うメールも考えられます。メールの中のリンクではなく、公式のサイトや公式のアプリから開くのが安全です(これは一般的な注意で、各社のお知らせにある文ではありません)。

4. 公的な資料を見たいとき

まだ分かっていないこと、これから見ておく点

2026年10月20日23時時点(『ゆうゆうポイント』の再開は10月21日朝の確認)で、確認できていないことは次のとおりです。

  • 止まったサービスに、共通の攻撃者や原因があるのか
  • 『IDCFクラウド』の全体の再開時期と、ほかのサービスとの関係
  • 『カーセンサーnet』『JFA Passport』『Renta!』『My SoftBank』の、調査結果と再開の見通し。『ゆうゆうポイント』は再開済みですが、不正ログインの調査結果は今後の発表を待つ状態です
  • 『ふるさとチョイス』の再開の見通しと、流出した件数の確定(公式は「今後の調査により変動する可能性」としています)
  • 『@link』の個人情報への影響(公式は10月20日中の報告を予定していましたが、追加の調査が必要になったとして、明日以降に延期しています)と、次に再開する機能。阪急阪神百貨店の通販2サイト、『SONICWIRE』の調査結果
  • Joshinで止まっているサービスの内容
  • 『Renta!』の公式Xの原文
  • 警察庁長官の発言の、警察庁の一次資料

再開した行や、新しく止まった行が出たら、一覧に足していきます。新しい情報が出るたびに、「時点」も書き直します。

関連ワダイ

出典

  • IDCフロンティア 『IDCFクラウド』関連のお知らせ(2026年10月7日〜18日、第1〜6報):第1報、第2報、第5報、第6報
  • JR東日本 メール配信に関するお知らせ(2026年10月9日、10月15日更新):PDF
  • NTTソルマーレ『コミックシーモア』のお知らせ(2026年10月16日、第3報は10月18日):公式
  • エイチ・ツー・オー リテイリング・阪急阪神百貨店 お知らせ(2026年10月19日付):PDF
  • 日本郵便 「【サービス再開】ゆうゆうポイントサイト」(2026年10月20日付、10月21日朝に確認):公式
  • 日本郵政 『ゆうID』のお知らせ(2026年10月19日付):PDF
  • ソフトバンク 『My SoftBank』のお知らせ(2026年10月19日):公式
  • クリプトン・フューチャー・メディア 『SONICWIRE』『D2R』のお知らせ(2026年10月19日):公式
  • メドレー 『@link』のお知らせ(2026年10月15日掲載、10月20日23時更新):公式
  • Joshin お知らせ(2026年10月17日付、10月19日付):PDF
  • 『カーセンサーnet』サイト上のお知らせ(2026年10月20日23時台に確認):サイト
  • 日本サッカー協会『JFA Passport』のお知らせ(2026年10月18日):公式
  • 『Renta!』サイト上の表示(2026年10月20日23時台に確認):サイト
  • ゲオ、セカンドストリートのお知らせ(2026年10月19日付):ゲオ、セカンドストリート
  • トラストバンク『ふるさとチョイス』のお知らせ(2026年10月19日、10月20日):サイト、10月20日付、10月19日付、ニュースルーム一覧
  • JPCERT/CC 注意喚起 JPCERT-AT-2026-0030(2026年10月8日公開、10月9日更新):注意喚起
  • NICT(2026年10月13日):発表
  • 警察庁:基本的なセキュリティ対策、不正アクセス対策
  • IPA 情報セキュリティ安心相談窓口:窓口
  • ITmedia NEWS(2026年10月19日、『Renta!』ほか。報道):『Renta!』、『Renta!』(利用者への案内)、阪急阪神百貨店
  • Impress Watch(2026年10月20日15時42分。『ゆうゆうポイント』のデジタルギフト交換に関する報道):記事
  • ITmedia NEWS(2026年10月16日。産経新聞配信、警察庁長官の発言。報道):記事
  • ドワンゴ「当社サービスへのサイバー攻撃に関するご報告とお詫び」(2024年6月14日):発表
  • ニコニコインフォ(2024年8月5日。再開の告知):ブログ
  • KADOKAWA(2024年8月5日。ドワンゴの情報漏洩に関するお知らせ):掲載ページ

更新履歴

  • 2026年10月20日:初版(10月20日15時時点)
  • 2026年10月20日23時:『ふるさとチョイス』の行に、10月20日の公式発表(会員情報4,454,097件の流出、再開は未定)を反映し、「漏えいの発表はありません」としていた記述を改めました。『@link』の行を、10月20日23時更新の案内(10月22日朝7時以降の段階再開の中身、調査結果の報告の延期)に更新しました。ほかの行は、公式のお知らせを見直し、新しい発表が見当たらなかったため、時点だけを10月20日23時にしました
  • 2026年10月21日朝:『ゆうゆうポイント』の行だけ、日本郵便の公式お知らせ「【サービス再開】ゆうゆうポイントサイト」(10月20日付)を開いて確認し、「再開済み」に更新しました。ほかの行は10月21日朝の再確認をしておらず、10月20日23時時点のままです

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