『ラブ and ベリー』稼働22周年。『ムシキング』の次に出た女の子向けカードゲームを整理

『ラブ and ベリー』のゲームセンター稼働の開始(2004年)、DS版(2006年)、稼働終了(2008年)と、2023年から2025年のコラボや20周年を上下2段に並べた編集部作成の年表 コラム
編集部作成の年表。『ラブ and ベリー』について本文で確かめた日付だけを並べた(年は西暦の下2桁。上段: 2004年に稼働開始、2006年にDS版、2008年に稼働終了。下段: 2023年のカフェ、2024年の20周年、2025年のコラボ)。出典: ファミ通、任天堂、バンダイのリリース、ゲームビズ(20周年)、ゲームビズ(花王コラボ)
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  • 『オシャレ魔女 ラブ and ベリー』は、セガが2004年にゲームセンターへ出した女の子向けのカードゲームで、公式は2026年10月30日に「稼働した日」と投稿しました。
  • セガは当時の発表文で、小学生の男の子に人気だった『甲虫王者ムシキング』のノウハウとアイデアを生かし、小学生の女の子向けに企画・開発したと説明していました。
  • ゲームセンターでの稼働は2008年までですが、2023年から20周年の2024年、2025年にかけて、コラボや商品の話題が続いています。

これは2026年10月30日の午前0時ごろ、『オシャレ魔女 ラブ and ベリー』の公式Xアカウントが投稿したものです(日付が「October 29」と表示されるのは、世界共通の時刻で数えているためです)。ゲームが稼働してから、ちょうど22年になります。

『ラブ and ベリー』は、ゲームセンターに置かれた、カードを集めて遊ぶゲームでした。カードで着せ替えをして、ダンスで競います。当時を知らない人には、「なぜ今も話題なのか」が分かりにくいかもしれません。そこで、当時のセガの発表と報道から、何のゲームで、何が新しかったのか、その後どうつながっているのかをたどります。

『ラブ and ベリー』とは何のゲームだったのか

セガが2004年10月に出したニュースリリースの見出しは、「『甲虫王者ムシキング』に続き女児向けキッズマシーン登場!」です。遊び方はこう書かれています。「オシャレ魔法カード」を使って着せ替えをし、おしゃれをしてライバルキャラクターとダンスをして、どちらが目立つかを競うゲームです。着せ替えのステージで「オシャレパワー」を決め、ダンスのステージで「いけてる度」を上げ、ライバルより高くすれば勝ちになります(セガのニュースリリース、第三者サイトに置かれたPDF)。

仕様の欄には、対象年齢は4〜12歳、利用料金は1プレイ100円、カードは4種類76枚、プレイ時間は4〜6分とあります。1回遊ぶごとにカードが1枚出てきて、集めるほどいろいろな組み合わせのおしゃれができる仕組みです。電ファミニコゲーマーは、稼働後の更新でトップスやボトムス、アクセサリーのカードも加わったとされている、と書いています(電ファミニコゲーマー、2025年10月29日)。

このニュースリリースの稼働時期の欄は「2004年10月末予定」です。10月30日に稼働したことは、冒頭の公式Xと、ファミ通の記事に書かれています(ファミ通、2024年10月30日)。

『ムシキング』から『ラブ and ベリー』へ

当時の発表で面白いのは、セガ自身が、誰に向けて作ったゲームなのかをはっきり書いていることです。ニュースリリースにはこうあります。

「セガでは従来のアミューズメント施設・機器では取り込みにくいとされてきた小学生女子をターゲットに本製品を企画・開発しています。」

そのうえで、男の子向けの『甲虫王者ムシキング』を「すでに小学生男子に爆発的な人気を博しており、累計出荷台数4,000台、累計カード出荷枚数9,000万枚(いずれも2004年9月末現在)を記録している」と紹介し、そこで培ったノウハウとアイデアを結集したと説明しています。ポイントとして挙げられているのは、「カードを集めるコレクション性と友達と競いながら楽しむコミュニケーション性」に加えて、「女の子なら誰もが持つ“オシャレ”への関心」をゲームの要素に組み込んだことです。

つまり、セガの説明は「カードを集める楽しさ」「友だちと競う楽しさ」に、おしゃれへの関心を足した、ということです。『ムシキング』をそのまま着せ替えにしたゲームだ、とまでは書かれていません。

セガによると、『甲虫王者ムシキング』は2003年に稼働を始めました(セガ、2023年7月20日)。『ラブ and ベリー』については、バンダイが2024年4月のリリースで、2004年から2008年まで稼働し、全国5,600店以上に設置され、カードの累計出荷は2億7,300万枚以上だったと書いています(PC Watch掲載のバンダイのリリース、2024年4月3日)。この数字は、バンダイのリリースに書かれたものです。

ゲームセンターの外へ

2006年11月22日には、ニンテンドーDS向けに『オシャレ魔女 ラブ and ベリー ~DSコレクション~』が発売されました(任天堂のソフト紹介)。任天堂のページによると、ゲームセンターで手に入れたカードを、ソフトに付いてくるカードリーダーでそのままスキャンして使えました。ニンテンドーDSは、任天堂の携帯ゲーム機です。同じDSで遊べた別の話題は、『ニンテンドッグス』のページにまとめています。

当時の女の子たちの遊び場がネットにもあったことは、『プリ画像』のページで整理しています。デコメ(ケータイのメールを、絵文字や画像で飾る機能)や待受画面で、画像を飾って見せ合う文化です。ゲームセンターではカードを集めて競い、ケータイでは画像を飾って見せ合っていました。同じ時代の、別の場所の「おしゃれ」の遊びでした。

稼働から22年。今どうつながっているのか

『ラブ and ベリー』は2008年に稼働を終えましたが、話題は途切れていません。日付順に並べます。

  • 2023年: ゲームビズによると、藤田ニコルさんがプロデュースするブランド『CALNAMUR』とのアパレルコラボが行われ、渋谷PARCOでは「オシャレまほうカフェ」が開かれました(ゲームビズ、2024年3月19日)。
  • 2024年: 3月19日、セガは20周年を記念する施策を発表しました。4月以降の予定として、キデイランドのポップアップショップ(4月5日〜25日)、東京タワーのコラボイベント(4月8日〜30日)、カラオケ店とのコラボ(5月1日〜6月2日)などが並びました(同じゲームビズの記事)。4月3日には、バンダイが筐体の黄色いボタンを再現した玩具『マジカルボタン』(5,500円・税込)の予約受付を始めました。楽曲6曲を収録し、商品のお届けは2024年9月の予定とされています(PC Watch掲載のバンダイのリリース)。
  • 2025年: 花王のヘアケアブランド『Essential』とのコラボが発表されました。5月15日からSNSキャンペーンを、5月16日から期間限定のWEBCMを展開する予定で、WEBCMの公開期間は6月8日までと案内されています。ゲームビズは、当時のゲーム映像を使ったコラボ動画の制作はシリーズで初めてだと伝えています(ゲームビズ、2025年5月16日)。

こうした広がりについて、ゲームビズは、2023年のカフェやアパレルコラボには、平成の時代の物を今あらためて楽しむ「平成レトロ」や、2000年前後の流行をふり返る「Y2K」の流れも追い風になり、当時を知らない若い世代からも支持があったと伝えています。

ゲームセンターで遊べた時代が終わった後に、ゲームや作品がどう残るのか、戻ってくるのか。その例は、サービス終了後に復活したゲームのページで整理しています。『ムシキング』のほうは、セガによると、2015年に新作『新甲虫王者ムシキング』も登場しました(セガ、2023年7月20日)。

まとめ

2004年10月、セガは『ムシキング』のノウハウとアイデアを生かして、小学生の女の子に向けた『ラブ and ベリー』を出しました。確かめられたのは、その企画の説明と、5,600店以上・カード2億7,300万枚以上という規模、DS版の発売、そして20周年から続く商品やコラボです。

まだ分かっていないこと

  • ブームが起きた理由(これだと決められる資料は見つかっていません)
  • アーケード版が復刻・再稼働するかどうか(その発表は見つかっていません)

新しい情報が出たら、このページに書き足します。

主な出典

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