報道によると 三菱UFJのデジタル銀行「エムットバンク」はキャッシュカードを発行せず 2027年1〜3月頃開始予定

最終更新 公開 ワダイジェイピー編集部

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東京・豊洲の建物の通路の脇に置かれた、赤と白のセブン銀行のATM1台。奥の通路を人が歩いている(後ろ姿)
セブン銀行のATM(東京・豊洲フロント、2025年7月3日撮影)写真:Nori Norisa(Wikimedia Commons)、CC BY 4.0。2025年7月3日撮影。縮小のみで加工なし

2026年11月5日時点の情報です。

年表

出来事を日付順に見る(4件)
  1. みんなの銀行がJCBデビットのリアルカードを提供開始したとImpress Watchが報道。国内ATM用のキャッシュカードとは異なり、海外の対応ATMでは現地通貨を引き出せる。報道[8]
  2. ファミリーマートがセブン銀行とのATM設置契約を発表。2026年春頃から4年程度で約16,000台を設置する計画。確認済み[3]
  3. MUFGと三菱UFJ銀行が子会社の銀行業の営業免許取得と商号変更を発表。エムットバンクのサービス開始は2027年1〜3月頃を予定。確認済み[2]
  4. 共同通信が、エムットバンクはキャッシュカードを発行せず、スマホアプリでATMから出金する仕組みにすると報道。報道[1]

共同通信は2026年11月4日、三菱UFJ銀行が2027年に開業するデジタル銀行「エムットバンク」で、キャッシュカードを発行しないと報じました。顧客はスマホアプリのQRコードを使ってATMから出金する仕組みで、まずセブン銀行の全国約2万8千台での利用を始めるとしています。手数料の記載はありません。共同通信(東京新聞掲載)

エムットバンクを運営する三菱UFJエムット銀行は、三菱UFJ銀行が100%出資する別の新しい銀行です。今回の報道は、三菱UFJ銀行本体のキャッシュカードが無くなるという内容ではありません。会社発表

会社が発表した開始予定と、共同通信の報道

MUFGと三菱UFJ銀行が9月24日に発表したのは、子会社が銀行業の営業免許を取得し、三菱UFJエムット銀行に商号を変えたことです。サービス名称は「エムットバンク」、顧客向けのサービス開始予定は「2027年1〜3月頃」。この発表には、キャッシュカードの発行方針やATM手数料の説明はありません。会社発表・1頁

11月4日の共同通信の記事では、カードと暗証番号による認証よりセキュリティーを強化するため、出入金の際にスマホのパスコードやアプリへのログインなどの手順を加えるとしています。これは報道が伝えた理由です。同記事は方針について「4日分かった」と記し、情報提供者は明記していません。共同通信

利用を始めるATMと、ファミリーマートの設置計画

共同通信によると、セブン銀行の約2万8千台から始め、ファミリーマートで順次置き換えが進む約1万6千台でも利用できるとしています。三菱UFJ銀行の既存ATMについては、対応を検討すると報じています。共同通信

ファミリーマートは別途、3月27日にセブン銀行とのATM設置契約を発表しました。計画は2026年春頃から順次、4年程度で約16,000台を設置するというものです。この台数は設置計画の規模であり、11月4日時点で全台の設置が済んだ数ではありません。また、この発表自体はエムットバンクの利用開始日を示していません。ファミリーマート

東京・豊洲の建物の通路の脇に置かれた、赤と白のセブン銀行のATM1台。奥の通路を人が歩いている(後ろ姿)
セブン銀行のATM(東京・豊洲フロント)写真:Nori Norisa(Wikimedia Commons)、CC BY 4.0。2025年7月3日撮影。縮小のみで加工なし

銀行・信金のATMと、流通系3行のATMの推移

信金中央金庫の研究所が2024年8月に公表した資料では、都市銀行・地方銀行・第二地方銀行と信用金庫を合わせたATMは、2001年度の97,799台から2023年度の71,104台へ減っています。一方、セブン銀行・イオン銀行・ローソン銀行の流通系3行は、同じ年度の比較で3,657台から47,794台へ増えています。研究所資料・1頁

ただし、前者は各年度の9月末、後者は各年度末の台数です。流通系3行の設置先には、コンビニだけでなくショッピングセンターなども含まれます。ゆうちょ銀行やイーネットなどを含む国内すべてのATMの集計ではありません。「銀行のATMが減った」という数字と「コンビニなどに置くATMが増えた」という数字は、設置主体と集計範囲を分けたものです。同資料の図表1・備考

ATMの運営には金融機関からの手数料も使われる

セブン銀行の中間ディスクロージャー誌は、「ATM受入手数料」を、提携金融機関などの顧客が同行のATMを使った際に、その金融機関などから受け取る手数料と説明しています。一方、「ATM設置支払手数料」は、ATMの設置に伴いセブン‐イレブン・ジャパンなどに支払う手数料です。利用者が払う料金だけでなく、金融機関とATM運営者、設置先の間にも費用のやり取りがあります。セブン銀行・冊子4頁

この説明はATM事業の費用と収益の仕組みです。エムットバンクの利用者が1回の引き出しにいくら払うか、無料の回数が設けられるかを示すものではありません。

盗難カードとネットバンキングの被害件数

金融庁の2025年6月10日公表資料では、盗難キャッシュカードによる被害は2021年度9,797件、2022年度11,045件のあと、2024年度は6,936件でした。同じ資料で、インターネットバンキングによる被害は2021年度403件から毎年増え、2024年度は10,337件です。各金融機関から報告された被害発生件数で、過年度分も変更される場合があるとしています。金融庁

金融庁の区分 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
盗難キャッシュカード 9,797件 11,045件 9,084件 6,936件
インターネットバンキング 403件 2,038件 6,737件 10,337件

これは利用者数や取引回数あたりの発生率ではありません。ネットバンキングの不正送金と、スマホを使ったATMの出金も別の取引です。今回確認した資料では、スマホATM自体の不正被害を分けた件数は見つかっていません。この表からカードとスマホATMの安全性の優劣は分かりません。金融庁の集計区分

スマホの保有状況には年齢による違いがある

総務省が2026年5月29日に公表した令和7年通信利用動向調査では、個人のスマホ保有率は78.9%でした。70〜79歳は68.1%、80歳以上は33.0%。80歳以上でスマホと携帯電話のいずれも保有していない人は21.0%です。総務省・3頁

図表1-4の集計人数は全体43,281人、70〜79歳7,040人、80歳以上3,804人。無回答を含む集計です。これは端末を持っているかの数字で、銀行アプリを利用できる人の割合や、新銀行の利用希望者の割合ではありません。同図表

総務省の図表1-4「年齢階層別モバイル端末の保有状況(令和7年)」。スマートフォンの保有は20〜69歳で88.6〜93.8%、70〜79歳は68.1%、80歳以上は33.0%。80歳以上でスマホも携帯電話も持たない人は21.0%。棒グラフの下に年齢層ごとの人数と数値の表がある
図表1-4 年齢階層別モバイル端末の保有状況(令和7年、無回答を含む集計)出典:「令和7年通信利用動向調査の結果」(総務省)3頁・図表1-4(PDF、2026年11月5日に利用)。PDFの該当部分を切り出して画像にしたもの。公共データ利用規約(第1.0版)による

みんなの銀行は後から決済用のリアルカードを提供

Impress Watchの2025年5月12日の報道によると、みんなの銀行は2021年5月のサービス開始当初からバーチャルデビットを提供し、その後、実物のカードも欲しいという要望を受け、JCBデビットのリアルカードを提供しました。発行手数料は1,100円、当時のプレミアム会員は無料とされています。Impress Watch

このカードは国内ATM用のキャッシュカードではなく、決済用のデビットカードです。報道では、実店舗で利用できる加盟店が広がり、JCBブランドを取り扱う海外ATMでは現地通貨を引き出せると説明しています。スマホだけで始めた銀行が実物のカードを追加した例ですが、国内ATMの引き出し手段をカードへ戻した例とは区別されます。同記事

取り上げる点

この出来事から、ATMで現金を引き出す頻度を取り上げます。

カードとスマホのどちらを使ったかにかかわらず、この1週間にATMで現金を引き出したかを尋ねる投票です。エムットバンクへの賛否や、カードの必要性を尋ねる投票ではありません。

現金を使う・選びたい理由と、キャッシュレス決済を使う理由

自治体が公表した、支払いのキャッシュレス化に関する調査には、現金を使う・選びたい理由と、キャッシュレス決済を使う理由が出ています。エムットバンクや、キャッシュカードを発行しない方針への賛否を聞いた調査ではありません。

理由が出た場所 現金を使う・選びたい理由 キャッシュレス決済を使う理由
埼玉県・2026年1月の調査の自由意見 システム障害で支払えなくなる場合に備え、現金も選べると安心だという意見。 公共料金を自宅で夜にも払え、体調が悪い時も外出せずに済むのが助かるという意見。
埼玉県・2026年1月の調査の自由意見 キャッシュレスで使いすぎ、後の支払額に驚いた経験から、現金を中心にしているという意見。 財布の現金が少なくて買い物に困ることがあるので、使える店が増えてほしいという意見。
埼玉県・2024年1月の調査の自由意見 免許更新で現金払いができなくなり不便なので、支払い方を選べるようにしてほしいという意見。 利用の記録や金額を把握でき、お金を管理するのに役立つという意見。
平戸市・2025年3月の調査で紹介された主な意見 情報の漏えいや詐欺の被害が心配だという意見。 現金を携帯せずに支払える点を便利だと感じるという意見。

埼玉県の2回の調査は登録した県政サポーターがネットで回答し、平戸市の調査は市の公式LINEで回答を募ったものです。表は自治体が紹介した自由回答の要旨で、各理由を挙げた人の割合や、世論全体の傾向を示すものではありません。

投票

投票この1週間で、ATMで現金を引き出した?

1人1票。押すと、ほかの人の割合が出ます(押す前は見えません)。

投票後の「実際は」では、全国銀行協会が6行の個人口座等からの出金を集計した数字を表示します。対象は、みずほ・三菱UFJ・三井住友・りそな・埼玉りそな・ゆうちょ銀行。金額の割合と、このページで引き出した人の割合は比較できません。また、口座からの出金を分けたこの集計は、買い物などの支払いに占めるキャッシュレス決済比率とも異なります。全国銀行協会

窓の大きい部屋に木の長いベンチが2つ並ぶ、人のいない待合を表したAIのイメージ
銀行の待合のイメージ。AIで作ったイメージ(Google gemini-3-pro-image)。実在の人物・場所・出来事の写真ではありません

まだ分かっていないこと

2026年11月4日に確認した会社発表と共同通信の記事では、具体的な開業日、利用手数料、無料で使える回数、三菱UFJ銀行の既存ATMへの対応時期は分かりません。ローソン銀行など、ほかのATMへの対応も確認できていません。

スマホの紛失、電池切れ、停電や通信障害の際に、エムットバンクの口座から現金を引き出すためにどのような代替手段が用意されるかも未確認です。ほかの銀行で使える仕組みを、そのまま新銀行の条件として当てはめることはできません。

出典

報道内容は共同通信(東京新聞掲載)、開始予定と子会社の概要はMUFG・三菱UFJ銀行の9月24日発表です。設置計画はファミリーマート、台数の推移は信金中央金庫の研究所、運営の手数料はセブン銀行、被害件数は金融庁、端末保有率は総務省、リアルカードの例はImpress Watch、投票後の数字は全国銀行協会、現金とキャッシュレス決済を使う理由は埼玉県と平戸市のアンケートの自由意見によります。各段落のリンク先とページの出典一覧に資料を示しています。

最後に確認した日:2026年11月5日(日本時間)。

出典

  1. キャッシュカード発行せず 三菱UFJのデジタル銀行(共同通信(東京新聞掲載)、2026年11月4日)
  2. 子会社の銀行業の営業免許取得および「三菱UFJエムット銀行株式会社」への商号変更について(MUFG・三菱UFJ銀行、2026年9月24日) 一次資料
  3. セブン銀行とのATM設置契約の締結に関するお知らせ(ファミリーマート、2026年3月27日) 一次資料
  4. データで読み解くこれからの信用金庫経営(9)コンビニATM(信金中央金庫 地域・中小企業研究所、2024年8月8日)
  5. 中間ディスクロージャー誌2025(ATM受入手数料などの説明)(セブン銀行) 一次資料
  6. 偽造キャッシュカード等による被害発生等の状況について(金融庁、2025年6月10日) 一次資料
  7. 令和7年通信利用動向調査の結果(概要)(総務省、2026年5月29日) 一次資料
  8. みんなの銀行、リアルカード発行開始 1100円(Impress Watch、2025年5月12日)
  9. キャッシュレスによる払出し比率の調査結果(2025年通期)(全国銀行協会) 一次資料
  10. 第288回簡易アンケート「キャッシュレス決済の利用状況について」の結果(埼玉県、2026年1月) 一次資料
  11. 第245回簡易アンケート「キャッシュレス決済の利用状況について」の結果(埼玉県、2024年1月) 一次資料
  12. 広報ひらど 2025年9月号(キャッシュレス決済に関するアンケートの結果)(平戸市、2025年9月) 一次資料

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