2026年2月、カラーコンタクトレンズの新ブランド「Cunte(キュント)」が、発売前にもかかわらずSNSで大きな話題を呼びました。
「キュンとする」と「Cute(かわいい)」を掛け合わせたブランド名でしたが、英語圏では「C-word」と呼ばれる最上級レベルの罵倒語・卑語とほぼ同じ綴りであることが判明。Togetterのまとめ記事は10万PV近くに達し、はてなブックマークでも160以上のブックマークを集める騒動となりました。
その後、公式サイトから商品ページが削除される事態に。この一件は、グローバル時代のネーミングチェックの重要性を改めて突きつけるものとなりました。
「Cunte(キュント)」騒動の経緯
Cunte(キュント)は、カラコンEC大手の株式会社エース(QUEEN EYES等を運営)が展開予定だった新ブランドです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド名 | Cunte(キュント) |
| 発売予定日 | 2026年2月27日(金)11:00 |
| 価格 | 1,760円(税込)/ 1箱10枚入り |
| イメージモデル | 逃げ水あむ(きゅるりんってしてみて) |
| カラー展開 | 全5色 |
| コンセプト | 「自分をもっと好きになるカラコン」 |
| 公式ページ | 削除済み(旧URL: queen-eyes.com/c/cunte/) |
コンセプトやデザイン自体は好評で、水光LOCK技術を搭載したレンズや、アイドルグループ「きゅるりんってしてみて」の逃げ水あむさんをモデルに起用するなど、Z世代をターゲットにした戦略が光るブランドでした。
何が問題だった?──英語の「C-word」とは
問題となったのは、ローマ字表記の「Cunte」が英語圏で最も使ってはいけない罵倒語のひとつにほぼ一致していた点です。
英語の「cunt」は、もともと女性器を指す俗語ですが、現在では人を侮辱する際に使われる最悪レベルの罵倒語として機能しています。いわゆる「F-word(fuck)」よりもさらにタブー度が高く、アメリカでは放送禁止用語です。あまりにも強い言葉であるため、「C-word」と婉曲表現されるほどです。
「末尾に”e”が付いているから別の単語では?」という声もありましたが、「cunte」は中英語・古フランス語での”cunt”の古形綴りであり、意味は完全に同じです。ウィクショナリー英語版にもエントリが存在します。
SNSの反応──炎上ではなく「善意の警告」だった
興味深いのは、この騒動が「炎上」というよりも「信じられないネーミングミス」への驚きと善意の指摘が中心だったことです。
SNS上では、以下のような反応が目立ちました。
- 「モデルさん(逃げ水あむさん)が可哀想」──モデル本人に非はないのに巻き込まれてしまった
- 「なぜローマ字表記にしたのか」──カタカナの「キュント」だけなら問題なかった
- 「F-wordよりタブーな言葉」──英語ネイティブでさえ口にしない最上級の禁句
- 「Conte(コンテ)に変えては?」──フランス語で「物語」の意味になるという建設的な提案も
- 「海外では面白ニュースとして拡散されている」──すでに英語圏にも伝わっていた
多くの人が企業やモデルを攻撃するのではなく、「早く変えたほうがいい」と善意で声を上げていたのが印象的です。
そして公式ページは消えた
SNSでの指摘が広まった後、公式サイトからCunteの商品ページは削除されました。ブランド名の変更や声明の発表は確認されていませんが、少なくとも現時点では「Cunte」という名称での販売は行われていない状況です。
発売前の段階でSNSの声を受けて対応したという点では、企業としては迅速な判断だったと言えるかもしれません。
過去にもあった!日本のブランド名が海外で問題になった事例
実は、日本のブランド名が海外で思わぬ意味を持ってしまうケースは今回が初めてではありません。
| ブランド/商品名 | 問題となった言語 | 意味 | 対応 |
|---|---|---|---|
| カルピス | 英語 | 「Cow Piss(牛のおしっこ)」に聞こえる | 海外ではCalpicoに改名 |
| 三菱パジェロ | スペイン語 | 自慰行為を意味する俗語に近い | スペイン語圏ではMonteroに改名 |
| 近畿大学 | 英語 | 「Kinky(変態の)」に聞こえる | 英語表記をKindai Universityに変更 |
| ポカリスエット | 英語 | 「Sweat(汗)」の飲料に聞こえる | 名称変更せず(ネタとして定着) |
カルピスやパジェロは海外展開時に初めて問題が発覚したケースですが、Cunteは国内発売前にSNSで指摘が入り、公式が対応するという、ある意味で現代的な展開をたどりました。SNSの情報伝播力が良い方向に働いた事例とも言えるでしょう。
ネーミングについてもっと知りたい方へ
企業のネーミング戦略がいかに重要か──成功例から失敗例まで、プロの視点で解説された一冊です。今回のような事故を防ぐためにも、ブランド名を決める際の参考になります。
まとめ──ネーミングは「日本語の響き」だけで決めてはいけない
カラコン新ブランド「Cunte(キュント)」の騒動は、「日本語としては完璧でも、ローマ字にした瞬間に海外では最悪の意味になり得る」という教訓を残しました。
グローバル化した現代では、SNSを通じて海外にも情報が瞬時に伝わります。商品名やブランド名を決める際には、少なくとも英語・スペイン語・中国語など主要言語でのネガティブチェックを行うことが、もはや必須と言えるのではないでしょうか。
今回は発売前にSNSでの指摘が入り、企業側が対応するという結末になりました。商品自体のコンセプトやデザインは魅力的だっただけに、名前を変えて再出発してほしいところです。



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