『ニンテンドッグス』が海外の投稿で再び注目。DSで約2400万本売れた子犬ゲームを整理

開いた状態の青いニンテンドーDS本体。上下2つの画面と十字ボタンが見える アニメ・声優
ニンテンドーDS(初代)の本体。Evan-Amos/パブリックドメイン/Wikimedia Commons。左右に白い背景を足して16:9にしています(本体は加工なし)
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このワダイ、3行で

  • 2005年4月21日にニンテンドーDSで出た『nintendogs』(ニンテンドッグス)が、2026年10月27日に海外のアカウントの思い出の投稿をきっかけに、あらためて注目されています。
  • 画面をなでたり、マイクで名前を呼んだりして子犬と暮らすゲームで、任天堂の集計では世界で約2,396万本(2016年9月30日時点)と、DSソフトの2位でした。
  • 続きは2011年2月26日に3DSの『nintendogs + cats』として出ましたが、2026年10月29日時点で、任天堂が新しい『nintendogs』を発表した形跡は見当たりません。

『nintendogs』は、任天堂が2005年4月21日に出したニンテンドーDS用のゲームです。日本では『ニンテンドッグス』と呼ばれることが多く、公式の表記は小文字です。敵を倒したり点を競ったりするゲームではなく、画面の中の子犬を世話して、一緒に暮らすのが目的の「コミュニケーションゲーム」と、任天堂は紹介しています。

ニンテンドーDSは、画面が上下に2つあり、下の画面に触れて遊べる携帯ゲーム機です。マイク(声を拾う部品)もついています。このページでは、『nintendogs』がどんなゲームで、なぜここまで売れたのか、その後どうなったのかを、任天堂の資料や当時の報道から整理します。

『nintendogs』はどんなゲーム? 触って、呼んで、すれちがう

最初のお披露目は、発売の半年ほど前です。GAME Watchの2004年10月7日付の記事によると、ニンテンドーDSの内覧会で、宮本茂さん(『スーパーマリオ』などで知られる任天堂のゲーム開発者)が「Nintendogs(仮称)」をデモしました。画面の子犬をタッチペンでなで、マイクに向かって呼びかけると、子犬が声に応えていた、と記事は書いています。宮本さんは「春までには調教して市場に出しますので」と話し、記事は「ユーザーもゲームと身構えることなく、新しいおもちゃとして接してもらえる」という言葉も伝えています。

発売されたのは3種類のパッケージで、『柴&フレンズ』『ダックス&フレンズ』『チワワ&フレンズ』です。任天堂の公式ページによると、パッケージごとに5犬種ずつの子犬から始まり、通信や遊びを進めると、ほかのパッケージの子犬も登場します。ファミ通.comの回顧記事は、全部で15犬種と紹介しています。遊び方も、同記事が次のように書いています。

  • タッチスクリーンで、子犬をなでたり洗ったりする
  • 名前を呼ぶと、子犬が駆けつけてくれる
  • 芸を教えて、ドッグランなどの大会に出る。散歩にも出かける
  • 子犬は成犬にならず、ずっと同じ姿のまま暮らせる

「すれちがい通信」も、このゲームの特徴です。ゲーム機を持ち歩くだけで、近くにいる人のゲーム機とデータを交換する機能のことです。ファミ通.comによると、知らない人にプレゼントを渡したりメッセージを交換したりでき、新しい子犬が来ることもありました。この機能はのちに、2009年の『ドラゴンクエストIX』で社会現象になったと、任天堂の公式インタビューで語られています。

そもそものきっかけについて、岩田聡社長(当時)が「最初の『nintendogs』をつくることになったのは、宮本さんが犬を飼いはじめたことが動機」と振り返り、宮本さんも「犬は特別」という思いがあったと話しています(任天堂の公式インタビュー「社長が訊く」)。宮本さんは、「育成ゲーム」という既存のジャンルにはくくれない、新しい何かができたと思っていた、とも語っています。

なぜ売れた? DSブームの真ん中にあった

『nintendogs』の数字を見る前に、DS本体の勢いを押さえておきます。

日付 できごと
2004年12月2日 ニンテンドーDS、日本で発売(15,000円、税込)。任天堂は「音声入力」も特徴にあげていた
2005年4月21日 『nintendogs』発売(各4,571円、税別)
2005年5月19日 『脳を鍛える大人のDSトレーニング』(脳トレ)発売
2006年1月 DSの国内販売が発売後13か月以内に500万台を突破。任天堂は「国内で販売された全ビデオゲーム機で最速」と発表(MediaCreate社調べ)。2005年末の国内向け販売は570万台
2006年3月2日 ニンテンドーDS Lite発売

任天堂は2006年1月の発表で、DSは「今まで一度もゲームをされたことのない多くの女性やシニア層」にも支持された、と書いています。『nintendogs』や脳トレのように、ゲームに慣れていない人も遊びやすい作品を、任天堂は「Touch! Generations」と呼んで並べていました。『nintendogs』は、その1本として年次報告書に名前が出ています。

売上は、任天堂の決算資料に残っています。

  • 2006年3月期(2005年4月〜2006年3月): 世界で665万本。シリーズ全体の合計です。脳トレ2本と、同じ系統の『やわらかあたま塾』の3本は、日本国内だけで510万本でした
  • 2007年3月期: 累計で1,360万本(この年の海外販売は695万本)
  • 2016年9月30日時点: 世界で約2,396万本(本体同梱分を含む)。DSソフトでは『New スーパーマリオブラザーズ』の約3,080万本に次ぐ2位で、『マリオカートDS』の約2,360万本や、脳トレ(約1,901万本)より上です

なお、一部の百科事典サイトは2,396万本を「2023年9月末時点」と書いていますが、任天堂のIR(株主・投資家向けの情報)のページでは2016年9月30日時点の数字です。このページは、任天堂の表記に合わせています。日本国内だけの本数は、任天堂の資料では見つかりませんでした。

続きは3DSの『nintendogs + cats』。猫と顔認識が加わった

続編にあたる『nintendogs + cats』は、2011年2月26日に、ニンテンドー3DSの本体と同じ日に出ました。名前のとおり子猫が加わり、公式サイトによると、3パッケージで『柴』『トイ・プードル』『フレンチ・ブル』とNewフレンズが選べます。

社長が訊くで語られた3DS版の特徴は、次のとおりです。

  • 3DSのカメラで、飼い主の顔を覚える。顔を近づけると子犬が寄ってきて、なめてくれる。家族や友だちの顔も覚え、初めて見る人には吠えたり怯えたりすることもある
  • すれちがい通信で、飼い主同士が「うちの子自慢」をする。担当者はこれを「すれちがい通信の逆襲」と呼んでいる

なぜ猫は後だったのか、という話も出ています。最初の『nintendogs』のあと、犬のモデルを猫に差し替える実験はしたものの、製品にはならなかったそうです。宮本さんは、先に犬を飼っていて、あとから来た猫と犬がうまくいったことから、「犬と猫が仲良くしている絵があれば、うれしいかなと思った」と話しています。ゲームも、「犬との生活がまずあって、何かのかたちで猫が絡んでくる」形にしたかったそうです。ロゴの「cats」が小さいのも、あくまで『nintendogs』として作る、という考えからです。

おもしろいのが、Wii版の話です。紺野さんという担当者は「Wiiで検討したこともある」と言い、その理由は、Wiiにはマイクがなくて犬に話しかけられないからだと話しています。『nintendogs』にとって、声で呼びかけることは、それだけ大事な要素だったと読めます。

『nintendogs + cats』の売上は、任天堂は公表していません。3DSソフトの売上上位10本の表(2026年3月31日時点)には入っていません。また、3DSのダウンロード販売は、ニンテンドーeショップの終了にともなって2023年3月28日で終わりました。買ってあるソフトは遊べて再ダウンロードもできますが、いずれ再ダウンロードも終わる予定だと、任天堂が案内しています。

いま、何が起きている? 2026年10月の様子

今回の再燃のきっかけは、2026年10月27日の朝(日本時間)に、海外のゲーム思い出系アカウントが『Nintendogs | Nintendo DS – 2005』と投稿したものです。10月29日の夜の時点で、4万7千を超える「いいね」がついています。日本語の反応や、日本のメディアによる報道は、2026年10月29日時点では確認できていません。個人の投稿は、ここでは引用しません。

なぜこの投稿が広がったのかは、分かっていません。また、新しい『nintendogs』については、2026年10月29日時点で、任天堂が新作や移植を発表したという情報は見当たりません。発表があれば、このページに書き足します。

昔のゲームの思い出が、あとから急に思い出されることは、今回が初めてではありません。『ジオシティーズ』や『Flash』が見られなくなった話は、3DSのeショップ販売終了のように、あとから手に入れにくくなったものの記憶がどう残るかを扱っています。同じ週には、『ポケモンユナイト』の終了と、終わったあとに記録を見返せるライブラリ機能も話題でした。また、『nintendogs』を作ったのは犬を飼いはじめたことがきっかけだったと語られた宮本茂さんは、2026年に文化勲章の受章が報じられました。くわしくは宮本さんの文化勲章のページにまとめています。

出典は、任天堂の『nintendogs』公式ページ、『nintendogs + cats』公式ページ、「社長が訊く」、IRのDSソフト売上、2006年の年次報告書、2007年の年次報告書、2006年1月のDS Lite発表、2004年9月のDS発売日発表、3DSのeショップ終了の案内です。報道は、GAME Watch(2004年10月7日)と、ファミ通.comの『nintendogs』20周年の回顧記事、『脳トレ』20周年の回顧記事です。

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