菊花賞のあと「新時代の扉を閉める武豊」が話題に。言葉の出どころを2001年の実況から整理

「新時代の扉」の文字と、閉まりかけた扉の図 ネットの話題
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  • 2026年10月25日の菊花賞を武豊騎手のゴーイントゥスカイが勝ち、三冠のかかっていた1番人気のロブチェンが14着だったため、SNSで「新時代の扉を閉める武豊」という冗談が使われました。
  • 「新時代の扉」は、2001年の日本ダービーでフジテレビの競馬中継の実況が言った一言が出どころで、2024年公開の劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』の題名にもなりました。
  • 10月25日は2020年にコントレイルが無敗で三冠を取った日でもあり、ゴーイントゥスカイはその子どもです。

2026年10月25日の菊花賞で、武豊騎手が乗ったゴーイントゥスカイが勝ち、三冠がかかっていた1番人気のロブチェンは14着でした。レースのあと、SNSでは「新時代の扉を閉める武豊」という言い方が使われました。

菊花賞は、3歳の馬が走る三つの大きなレース(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)の最後にあたります。三つ全部を勝つことを「三冠」と呼び、達成した馬はめったに出ません。「新時代の扉」は、もともと競馬の実況の言葉で、その後に映画の題名になりました。このページでは、2026年10月26日時点で分かっている範囲で、この言葉がどこから来て、なぜ今回「閉める」と言われたのかを整理します。誰かを責めるページではありません。

2026年10月25日の菊花賞で何があった?

第87回菊花賞は、京都競馬場の芝3000メートルで行われました。JRAの結果表では、1着は3番人気のゴーイントゥスカイ(武豊騎手)で、勝ちタイムは3分4秒5でした。2着は8番人気のバステールで、ハナ差でした。1番人気のロブチェンは14着です。

着順 馬名 騎手 人気
1着 ゴーイントゥスカイ 武豊 3番人気
2着 バステール 川田将雅 8番人気
3着 ダノンヒストリー C.ルメール 2番人気
14着 ロブチェン 松山弘平 1番人気

ロブチェンは皐月賞と日本ダービーを勝っていて、勝てば6年ぶり、史上9頭目の三冠でした(日本経済新聞)。勝ったゴーイントゥスカイは、父がコントレイル、祖父がディープインパクトの牡馬です。

武豊騎手は菊花賞の6勝目で、歴代の単独最多になりました。馬トク報知は、57歳7か月でのG1勝利となり、自身の最年長記録を更新したと伝えています。この最年長記録は、2026年6月7日の安田記念(シックスペンス)で57歳2か月24日として作られ、横山典弘騎手の56歳3か月4日を上回りました(デイリー)。その1週間後の宝塚記念でさらに更新されていて(WINSIGHT)、今回の菊花賞はそれを上回る記録です(馬トク報知)。

勝った直後のコメントについて、馬トク報知は、武豊騎手が「(ロブチェンの三冠がかかっていて)ちょっと空気読まなくて申し訳ない気持ちはあるんですけど」と話したと伝えています(かっこ内は報知の補足)。三冠のかかったレースを勝ったことへの気遣いのことばです。報知によると、このあと「夏からあまりいい仕事ができてなかったんですが、こうやって勝てて…」と続けていて、安堵とこれからの意気込みも語っています。

同じ10月25日は、コントレイル三冠の日でもあった

2020年10月25日の第81回菊花賞では、福永祐一騎手が乗ったコントレイルが無敗で三冠を取りました。父ディープインパクトに続く父子2代の無敗三冠で、テレ東スポーツは「日本どころか世界にも例を見ない大記録」と伝えています。2着はアリストテレス(ルメール騎手)、3着はサトノフラッグでした(JRA成績)。

その6年後の同じ10月25日、コントレイルの子どもが、同じ菊花賞を勝ちました。日付が重なったのは偶然です。

『新時代の扉』はどこから来た言葉か

「新時代の扉」の年表。2001年5月27日の日本ダービーの実況、2020年10月25日のコントレイルの三冠、2024年5月24日の劇場版の公開、2026年10月25日の菊花賞。2020年と2026年の菊花賞は同じ10月25日

2001年の日本ダービーの実況

出どころは、2001年5月27日の日本ダービー(東京競馬場、芝2400メートル)です。1着はジャングルポケット(角田晃一騎手)、2着はダンツフレーム(河内洋騎手)でした。

競馬ニュースサイトのウマフリ(2025年5月31日)は、この時のフジテレビの競馬中継の実況を、次のように紹介しています。

マル外開放元年、新時代の扉をこじ開けたのは、内国産馬ジャングルポケット! 角田晃一、ダービー初制覇!

「マル外」は外国で生まれた馬、「内国産馬」は日本で生まれた馬のことです。2001年は、外国で生まれた馬にもクラシック(皐月賞、日本ダービー、菊花賞などの大きなレース)の門が開かれた最初の年で、これが「マル外開放元年」です。その年のダービーを日本生まれの馬が勝ったので、「扉をこじ開けた」という言葉になりました。

同じダービーで、武豊騎手はクロフネに乗って5着でした。勝った馬の騎手は角田晃一騎手で、武豊騎手ではありません。つまり、この言葉は、もともと武豊騎手の勝利を指したものではありません。

この実況をしたアナウンサーの名前は、資料によって食い違っているため、このページでは書きません。

2024年の映画の題名になる

2024年5月24日に公開された劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』(映画.com)は、題名が同じ言葉です。『ウマ娘』は、実在した競走馬の名前を受け継ぐ女の子たちが走る、ゲームやアニメのシリーズです。主人公はジャングルポケットです。ウマフリは、この言葉が映画の題名にもなったと紹介し、映画では「テイエムオペラオーら覇王世代からの世代交代」という意味で使われているとしています。ウマフリはまた、2001年の実況での本来の意味とは違う読み替えだと、筆者の見方を述べています。

武豊騎手は、この映画の完成披露プレミアにコメントを寄せ、ジャングルポケットに乗った経験にふれたと、netkeibaが伝えています。

おもしろいのが、この言葉の意味が変わっていく道すじです。2001年は「外国産馬に門が開いた年に、日本生まれの馬が勝った」という意味でした。それが映画の題名で「世代交代」の象徴になり、2026年には、三冠がかかった馬を破った騎手を指す言い方にも、この言葉が使われました。

「新時代の扉を閉める武豊」はどう生まれたのか

「扉を閉める」という言い方が、武豊騎手本人や実況から出たという記録は、報道には見つかりません。SNSの冗談として広がった言い回しとみられます。

Xでは「扉を閉める」という言い方が使われた

レース後のXには、「新時代の扉を閉める男」「また新しい扉を閉めるおじさん」のように、勝った武豊騎手を指す冗談の言い方の投稿がありました。あわせて、6勝目の記録や、コントレイルと同じ10月25日だったことを伝える投稿もありました。

「新時代の扉」は、もとは新しい世代が時代を開くという響きの言葉です。三冠のかかった若い馬の前で、57歳の武豊騎手が勝ったことから、その言葉を「閉める」と言い換える冗談が生まれた、と考えられます。

まだ分かっていないこと

  • 「新時代の扉を閉める武豊」という言い方が、いつ、誰から始まったか
  • 2001年のダービーの実況をしたアナウンサーが誰か(資料で食い違っています)

新しい情報が出たら、このページに書き足します。

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主な出典

公式・一次資料

報道・専門媒体

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