Woltが3月4日に日本撤退──「高すぎて頼めない」「配達員も稼げない」フードデリバリーはどこへ向かうのか

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Wolt、3月4日に日本撤退──5年で幕を下ろす

フードデリバリーサービス「Wolt(ウォルト)」が、2026年3月4日をもって日本でのサービスを終了すると発表しました。3月5日以降はアプリ・ウェブサイトからの注文が一切できなくなります。

Woltはフィンランド発のサービスで、2021年に日本に上陸。独自の配達員ユニフォームや高品質なデリバリー体験で差別化を図り、東京・大阪を中心に展開していました。2022年にはアメリカのDoorDash(ドアダッシュ)に買収され、その子会社として運営されてきましたが、今回の撤退はDoorDashのグローバル戦略転換の一環。日本以外にもカタール・シンガポール・ウズベキスタンでも同時期の撤退が発表されています。

なぜ勝てなかったのか──「2強」が作った壁

日本のフードデリバリー市場は、Uber Eats(ウーバーイーツ)と出前館の2強による寡占状態が続いています。

Uber Eatsは2016年から日本でサービスを開始し、ブランド認知・加盟店数・配達員数すべてで圧倒的な先行優位を持ちます。出前館は国内大手として地方都市への展開で強みを持ちます。この2強が固まった市場に2021年に参入したWoltは、新規ユーザー獲得コストが嵩み続ける構造に陥っていました。

「料理の品質管理に力を入れたプレミアム路線」で差別化を試みましたが、フードデリバリーで消費者が選ぶ理由は「速さ・安さ・慣れ」であることが多く、後発のプレミアム訴求は刺さりきりませんでした。

「高すぎて頼めない」──物価高が直撃したフードデリバリー市場

Woltの撤退を伝えるSNSの投稿で最も多かった反応が「高すぎて最近頼んでなかった」という声です。

フードデリバリーのコスト構造は複雑です。消費者は「料理代+配達料(300〜600円程度)+サービス手数料」を払います。一方、店舗側も売上の約30〜35%を手数料として支払うため、デリバリー専用の値上げ設定をしている店舗も少なくありません。結果的に同じ料理を店で食べるより3〜4割高くなることも珍しくありません。

2024〜2025年の物価高騰で消費者の節約志向が強まり、「1000円のランチをデリバリーしたら1400円になる」という感覚が「それなら外に出るか、コンビニにする」という行動変容につながっています。

配達員も「稼げなくなった」──供給過多の構造

コロナ禍(2020〜2021年)にフードデリバリーが急拡大した際、副業・専業を問わず多くの人が配達員として参入しました。当時は「1時間3000円稼げる」といった声もありました。

しかしその後、配達員数の急増によって需要が分散。燃料費・車両維持費の高騰も加わり、現在は稼働時間あたりの収入が大きく落ちているといわれています。「稼げなくなった配達員が離脱し、配達品質が下がり、注文者が減る」という悪循環がプラットフォーム全体を圧迫しています。

フードデリバリーはどこへ向かうのか

Wolt撤退後の日本市場は、Uber Eatsと出前館の2強体制がさらに強固になります。市場縮小が続くなか、両社は黒字化と持続可能なコスト構造への転換を迫られています。

一方で、ゴーストキッチン(デリバリー専門の厨房)の進化や、スーパーの即時配達(クイックコマース)などの隣接市場は成長しており、「食を届ける」というサービスの形が変わりつつある段階でもあります。

Woltの撤退は、コロナ特需で膨らんだフードデリバリー市場が「本来の需要の大きさ」に収縮していく過程の一幕といえるかもしれません。

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