アパート退去で74万円請求→徹底抗戦で15万円になった——不当な原状回復費用に気づくための基礎知識

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  • 国土交通省の「原状回復ガイドライン」では、経年劣化・通常消耗による修繕は貸主負担が原則で、借主が負担するのは故意・過失による損傷のみ。
  • 高額請求が届いてもすぐにサインせず、明細を精査しガイドラインと照合した上で書面で異議申し立てをすることが有効。
  • 入居直後に全室を動画・写真で記録し、チェックシートに既存の傷を記載しておくことが退去トラブルの最大の予防策。

賃貸アパートを退去するとき、想定外の高額請求を受けたという体験談がSNSでたびたび話題になります。先日も「74万円請求されたが交渉して15万円になった」という投稿が広く拡散され、多くの共感を集めました。

まず知っておきたい「原状回復ガイドライン」とは

国土交通省は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しており、賃借人(借りる側)と賃貸人(貸す側)、それぞれが負担すべき費用の考え方を示しています。

ポイントは以下のとおりです。

  • 経年劣化・通常消耗は貸主負担:時間の経過や普通の使用による汚れ・傷の修繕費は、基本的に家主側が負担すべきとされています
  • 借主負担になるのは「故意・過失」のみ:タバコのヤニ汚れ、ペットによる傷・臭い、壁に大きな穴を開けた場合などが該当します
  • フローリング・クロスには「残存価値」がある:設備には耐用年数があり、古くなるほど借主の負担割合は下がります(例:クロスは6年で残存価値1円)

このガイドラインは法的拘束力はありませんが、裁判所の判断にも影響を与えるほど信頼性の高い指針です。

高額請求が届いたときの対処の流れ

請求書が届いたらすぐにサインせず、まず内容を精査することが大切です。

①請求明細を細かく確認する

「ハウスクリーニング一式〇〇万円」のようなざっくりした請求には、何が含まれているかを書面で確認しましょう。内訳の開示を求めることは正当な権利です。

②ガイドラインと照合する

請求項目ごとに、「これは経年劣化か?故意・過失か?」を確認します。入居時からあった傷や汚れは、入居時チェックシートや写真で証明できると有利です。

③管理会社・オーナーに書面で異議を申し立てる

口頭ではなく、メールや内容証明郵便で「ガイドラインに照らし合わせると、〇〇の費用は借主負担に当たらないと考えます」と具体的に指摘します。

④話し合いで解決しない場合は相談窓口へ

国民生活センターや各都道府県の「住まいるダイヤル」(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)への相談が有効です。少額訴訟(60万円以下)という選択肢もあります。

入居時にできる予防策

退去トラブルを防ぐには、入居時の対策が効果的です。

  • 入居直後に全室を動画・写真で撮影し、日付入りで保存する
  • チェックシートに既存の傷・汚れをすべて記録し、管理会社に提出(控えをもらう)
  • 退去時も同様に記録を残す

まとめ

退去費用の高額請求は珍しいことではありませんが、国土交通省のガイドラインを知っているかどうかで結果が大きく変わります。明細をしっかり確認し、おかしいと思ったら泣き寝入りせずに交渉することが大切です。入居時から記録を残す習慣をつけておくと、退去時に強い味方になります。

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