第3号の年金、縮める? 今の形を残す? 働く人と家庭の理由

最終更新 公開 ワダイジェイピー編集部

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3行でいうと

  • 厚労省は2026年9月4日に第3号制度の検討会を開き、10月27日に議事録を掲載した。
  • 自営業者などとの負担差を理由に縮小を望む人と、育児・介護や生活設計のため制度を残したい人がいる。
  • 第3号の人数は1995年度の約1,220万人から2025年12月末の約610万人へ。過半数は就労している。
厚生労働省の図「公的年金被保険者数の推移」。1986年度から2024年度までの第1号・厚生年金・第3号の人数の積み上げ棒グラフと割合の折れ線。第3号は1995年度の1220万人がピークで、2024年度は641万人
公的年金被保険者数の推移(厚労省 資料2・40頁)出典:厚生労働省年金局「第3号被保険者制度を巡る現状について」(国民年金第3号被保険者制度等に関する検討会 第1回 資料2、2026年9月4日)40頁(PDF、2026年11月4日に利用)。PDFの該当頁を画像にしたもの。公共データ利用規約(第1.0版)による

2026年11月4日時点の情報です。

年表

出来事を日付順に見る(8件)
  1. 連合が廃止を求める方向だという朝日新聞の見出しに対するブックマークが残る。議論の初出ではなく、今回確認した記録の起点。確認済み[12]
  2. 毎日新聞が連合の3号廃止の正式提起を報道。見出しと日付、はてブのコメントを確認。記事本文は根拠にしていない。報道[7]
  3. 毎日新聞が次期改革での3号廃止見送りを報道。見出しと日付、はてブのコメントを確認。記事本文は根拠にしていない。報道[8]
  4. 年金部会の議論の整理は、被用者保険の適用拡大による第3号制度の縮小を基本的な方向性とした。確認済み[3]
  5. 年金制度改正法が成立。附則第2条第4項に第3号の実情の調査研究と在り方の検討を規定。確認済み[4][11]
  6. 自民・維新の骨子は、縮小に向けた適用拡大、実態調査、令和8年度中の課題整理を掲げた。確認済み[4]
  7. 厚労省が第1回検討会を開催し、実態調査計画を示した。確認済み[1][4]
  8. 厚労省が第1回検討会の議事録を掲載した。確認済み[1][2]

何が起きたか

2026年9月4日、厚労省が第3号被保険者制度の検討会を初開催し、実態調査の計画を示しました。検討会 10月27日には、その議事録を掲載しました。掲載日 6月15日のマイナビニュースは、それ以前からSNSに制度の見直しへの不安が出ていると紹介しています。マイナビ

どっち派?

会社員・公務員の配偶者が、自分で保険料を払わずに国民年金に入れる「第3号」。この先、縮めていく方がいい? それとも、今の形を残す方がいい?

第3号は主夫も含みます。対象は厚生年金に入る人に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者で、原則年収130万円未満などの条件があります。日本年金機構 本人が厚生年金に加入する場合は第2号です。厚生労働省

それぞれの立場の「なぜ」

公開調査の自由記述と、はてブのコメントの要旨です。しゅふJOB総研の調査は求人サービス登録の主婦・主夫層が対象で、全国の世論ではありません。ここでは賛否の割合を使いません。調査

縮めていく方がいい立場の人

  • 家族の働き方による差を減らしたい。調査には、自営業者の配偶者が保険料を払うのに、会社員の配偶者は払わなくてよいことへの疑問があります。はてブにも自営業の立場から同じ負担差を挙げる人がいます。調査・2024年10月の記事へのコメント
  • 働く時間を抑える理由をなくしたい。調査には、扶養の範囲に収めるための働き控えを問題とする人がいます。はてブにも、配偶者がその範囲で働こうとすることを見直しの理由に挙げる人がいます。調査・同コメント
  • 先送りせず、少しずつ変えたい。調査には、共働きが増えたことを縮小の理由にする人がいます。はてブには、急な廃止の影響を認めながら、今から段階的に減らしていくことを望む人がいます。調査・2024年12月の記事へのコメント

今の形を残す方がいい立場の人

  • 働けない事情のある家庭を支えてほしい。調査には、育児・介護や療育のため勤務時間を確保できない人がいます。はてブにも、子どもの通学への付き添いなどで共働きできないという人がいます。調査・2024年12月の記事へのコメント
  • 制度を前提にした暮らしを守りたい。調査には、第3号がある前提で出産したり、配偶者の転勤で仕事を持てなかったりした人がいます。はてブにも、制度を見込んだ人生設計が変わることを心配する人がいます。調査・2026年4月の記事へのコメント
  • 片働きでも余裕があるとは限らない。調査には、幼い子を育てながら保険料も負担する難しさを訴える人がいます。はてブにも、収入が低い片働き世帯で、育児と仕事を両立させる難しさから反対する人がいます。調査・2024年12月の記事へのコメント

はてブは、縮小合意を伝えた47NEWS、連合の提起と見送りを伝えた毎日新聞2記事の計3エントリー。2026年11月4日に公式jsonliteの応答順で、空欄を除く先頭40件ずつ、計120件を読みました。利用者層と抽出順に偏りがあり、世論ではありません。記事本文を読んだという意味でもありません。

「どっちも」は、育児・介護などで働けない人の分を残し、ほかは縮める選択です。上の理由にも、縮小を支持しながら段階的な変更や子育てへの配慮を望む声が含まれます。

どっち派?会社員・公務員の配偶者が、自分で保険料を払わずに国民年金に入れる「第3号」。この先、縮めていく方がいい? それとも、今の形を残す方がいい?

1人1票。押すと、ほかの人の割合が出ます(押す前は見えません)。

起きた(年表):繰り返されてきた問い

  • 2023年6月〔記録〕:連合が廃止を求める方向だという朝日の見出しに、はてブの記録が残ります。今回確認した応答の最古は6月16日で、議論の初出を示すものではありません。記録
  • 2024年10月18日・12月12日〔報道見出し〕:毎日は連合の正式提起、次いで廃止見送りを報じました。はてブには、働き控えの解消を求める声と、家庭のケア負担への心配が並びました。10月の記録・12月の記録
  • 2025年6月13日〔事実〕:改正法が成立。附則は第3号の実情の調査研究と在り方の検討を定めました。厚労省・資料3・2頁
  • 2026年7月7日・9月4日〔事実〕:自民・維新の骨子は縮小に向けた適用拡大と実態調査を掲げ、9月に検討会が始まりました。資料3・2頁・検討会

制度の背景は1961年までさかのぼります。当時、会社員の妻は国民年金への任意加入でした。1985年改正・1986年4月施行で、自分名義の年金権を確保する第3号が始まりました。資料2・6〜7頁

厚生労働省の図「公的年金の負担と給付の構造(世帯類型との関係)」。夫のみ就労で夫40万円・妻0円の世帯、夫婦共働きで各20万円の世帯、単身20万円の世帯を並べ、賃金水準(1人あたり)が同じなら一人当たりの年金額は同じになることを、基礎年金と厚生年金の箱で示している
公的年金の負担と給付の構造(世帯類型との関係)。賃金は仮定の数字出典:厚生労働省年金局「第3号被保険者制度を巡る現状について」(国民年金第3号被保険者制度等に関する検討会 第1回 資料2、2026年9月4日)8頁(PDF、2026年11月4日に利用)。PDFの該当頁を画像にしたもの。公共データ利用規約(第1.0版)による

2026年11月4日に確認した改正法附則・骨子・検討会資料には、廃止や支給停止の決定は記されていません。資料3 「2030年」は、共同通信が次期年金制度改正での実現を目指す年として報じたものです。共同通信

約30年で半分に。第3号の過半数は働いている

厚労省の資料では、第3号はピークの1995年度に約1,220万人。2024年度は約641万人、2025年12月末は約610万人でした。約30年で半分になった人数で、今後の縮小案による見込みではありません。資料2・40頁

厚生労働省の図「公的年金被保険者数の推移」。1986年度から2024年度までの第1号・厚生年金・第3号の人数の積み上げ棒グラフと割合の折れ線。第3号は平成7(1995)年度の1220万人がピークで、令和6(2024)年度は641万人、令和7年12月末は610万人と書かれている
公的年金被保険者数の推移(1986〜2024年度末)出典:厚生労働省年金局「第3号被保険者制度を巡る現状について」(国民年金第3号被保険者制度等に関する検討会 第1回 資料2、2026年9月4日)40頁(PDF、2026年11月4日に利用)。PDFの該当頁を画像にしたもの。公共データ利用規約(第1.0版)による

また、2022年の国民生活基礎調査の特別集計では、第3号の5割以上が就労。雇用者として働く第3号の8割以上はパートです。同居する末子が0〜2歳の人に限ると、就労は約3割でした。人数の推移とは調査時点が違います。資料2・44〜45頁

厚生労働省の図「第3号被保険者の就労状況」。年齢階級別・末子の年齢別に、仕事あり(主に仕事・主に家事・通学その他)と仕事なしの割合を横棒で示す。全年齢では5割以上が就労、末子が0〜2歳では約3割
第3号被保険者の就労状況(令和4年国民生活基礎調査の特別集計)出典:厚生労働省年金局「第3号被保険者制度を巡る現状について」(国民年金第3号被保険者制度等に関する検討会 第1回 資料2、2026年9月4日)44頁(PDF、2026年11月4日に利用)。PDFの該当頁を画像にしたもの。公共データ利用規約(第1.0版)による

第3号の期間は基礎年金に反映され、その費用は厚生年金の加入者全体で負担します。日本年金機構・資料2・3頁 健康保険の扶養は別の仕組みです。検討会では両制度の関係も含めた議論を求める意見が出ています。議事録

まだ分かっていないこと

実態調査は約2万人のウェブ調査と約70人の聞き取りを予定し、結果を令和8年度中にまとめる計画です。公平か、育児・介護・家事を担う配偶者に必要か、という設問への答えはまだ示されていません。資料3・4、8、11頁

2030年の次期改正の中身、対象を絞る条件や移行期間、適用拡大がどこまで進むかも、現段階の資料では定まっていません。共同通信・議事録

つながる話・用語

第1号・第2号・第3号は公的年金の加入区分。適用拡大は、厚生年金などに入る短時間労働者の範囲を広げることです。

出典

制度と数字は厚労省・日本年金機構、理由は公開調査の自由記述と公式jsonliteで読んだコメントの要旨です。番号つき出典はページの出典欄に記載しています。

最後に確認した日:2026年11月4日(日本時間)。

出典

  1. 国民年金第3号被保険者制度等に関する検討会(開催日・議事録掲載日)(厚生労働省) 一次資料
  2. 第1回検討会議事録(厚生労働省、2026年9月4日) 一次資料
  3. 第3号被保険者制度を巡る現状について(資料2)(厚生労働省、2026年9月4日) 一次資料
  4. 第3号被保険者等に関する実態調査について(資料3)(厚生労働省、2026年9月4日) 一次資料
  5. 第3号被保険者制度、当事者の7割が「縮小も廃止もしない」を支持(自由記述のみ使用)(ビースタイル ホールディングス・しゅふJOB総研、2026年6月25日) 一次資料
  6. 47NEWSの縮小合意速報に対するブックマーク(公式jsonlite)(はてなブックマーク) 一次資料
  7. 毎日新聞「連合、年金の3号廃止を正式提起」へのブックマーク(公式jsonlite)(はてなブックマーク) 一次資料
  8. 毎日新聞「3号廃止見送り」へのブックマーク(公式jsonlite)(はてなブックマーク) 一次資料
  9. 専業主婦は絶滅? 「主婦年金」が縮小方向へ(マイナビニュース、2026年6月15日)
  10. 年金「第3号」縮小へ検討着手 子育て・介護、配慮焦点(共同通信(秋田魁新報配信)、2026年9月4日)
  11. 年金制度改正法が成立しました(厚生労働省) 一次資料
  12. 朝日新聞「第3号被保険者制度『不公平だ』」へのブックマーク(公式jsonlite、メタデータのみ)(はてなブックマーク) 一次資料
  13. た行 第3号被保険者(日本年金機構) 一次資料

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