この記事を3行で
- 花粉症の人が特定の果物・野菜で口や喉がかゆくなるのは「口腔アレルギー症候群(OAS)」で、花粉と食品のタンパク質の構造が似ているために起きる交差反応。
- スギ花粉ならトマト・メロン、シラカバ花粉ならリンゴ・桃・セロリなど、花粉の種類によって反応しやすい食品が異なる。
- OASを引き起こすタンパク質は熱に弱く、加熱調理で症状が出にくくなる場合が多い。
春になると、花粉症の人からよく聞かれるのが「フルーツを食べたら口の中がかゆくなった」「喉がイガイガする」という声です。これは気のせいではなく、「口腔アレルギー症候群(OAS:Oral Allergy Syndrome)」という正式な医学的状態です。
なぜ花粉症の人に起きるのか
花粉に含まれるタンパク質(アレルゲン)と、一部の果物・野菜に含まれるタンパク質の構造がよく似ています。免疫システムが「この食べ物も花粉と同じ敵だ」と誤認識することで、アレルギー反応が口腔内や咽頭に起きるしくみです。これを「交差反応」と呼びます。
代表的な花粉と食品の組み合わせ
花粉の種類によって、反応しやすい食品が異なります。
- スギ・ヒノキ花粉:トマト、メロン、リンゴ、ピーチなど
- シラカバ・ハンノキ花粉:リンゴ、さくらんぼ、桃、ナシ、セロリ、ニンジン、大豆など
- カモガヤなどイネ科花粉:メロン、スイカ、トマト、オレンジなど
日本ではスギ花粉が多いため、「トマトを食べると口がかゆい」という訴えが多く見られます。ただし、同じ花粉症でも全員に起きるわけではなく、個人差があります。
症状の特徴
OASの症状は、食べてから数分以内に始まることがほとんどです。主な症状は以下のとおりです。
- 口・唇・舌・喉のかゆみや腫れ
- 喉のイガイガ感、違和感
- まれに蕁麻疹や腹痛
重篤なアナフィラキシーに進展することはまれですが、症状がひどい場合はすぐに医師に相談することをおすすめします。
加熱すると食べられることが多い
OASを引き起こすタンパク質の多くは熱に弱く、加熱調理することで変性します。生のトマトは症状が出るけれど、トマトソースやケチャップなら大丈夫、という方は少なくありません。缶詰の果物(加熱処理済み)も同様です。ただし、すべての方に当てはまるわけではないため、慎重に試すことが大切です。
対処・予防のポイント
気になる場合は、まずアレルギー専門医(耳鼻科・内科)を受診して検査を受けるのが確実です。皮膚プリックテストや特異的IgE抗体検査で、どの花粉・食品に反応しているかを調べることができます。
日常的な対処としては、
- 症状が出る食品は生で食べることを控える
- 加熱・缶詰などの調理済み製品に替える
- 花粉シーズンのピーク時は特に注意する(症状が出やすい時期)
などが挙げられます。抗アレルギー薬の服用で症状が和らぐ場合もあります。
まとめ
「花粉症なのに食べ物でも反応が出る」という現象は、交差反応によるOASです。特定の果物・野菜で口や喉のかゆみが気になる場合は、我慢せずに専門医に相談してみてください。加熱調理で回避できるケースも多く、食生活の工夫で対処できることも少なくありません。
関連リンク
- 日本アレルギー学会:https://www.jsaweb.jp/



コメント