『ジオシティーズ』や『Flash』はなぜ見られなくなった? ネットは一生残るのかを整理

ネットは一生残る? ジオシティーズ・Flash・LINE VOOMの終わり方(自作の図) コラム
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このワダイ、3行で

  • 『ジオシティーズ』の個人ホームページや2026年9月30日に終わった『LINE VOOM』の投稿は、サービスの終了で見られなくなりました。『Flash』の作品も、公式の環境では動かなくなりました(作品のファイルが一斉に消えたわけではありません)。
  • アメリカの調査機関Pew Research Centerの2024年の調べでは、2013年のウェブページの38%が2023年10月の時点で見られなくなっていて、「一生残る」とは言い切れないことが分かります。
  • 残るかどうかの分かれ目は「誰かがコピーを持っているか」ではないか、というのは資料にそう書いてあるわけではない編集部の整理で、終わる前に引っ越しやバックアップの口があったかどうかでも残り方が変わりそうだ、というのも編集部の見方です(2026年10月18日時点)。

「ネットに上げたものは一生残る」とよく言われます。けれど実際には、昔の個人ホームページ(個人が自由に作って公開していたウェブページ)が見られなくなったり、サービスが終わって投稿が読めなくなったりする出来事が、何度も起きています。

「消したい物は残るのに、残したかった物は消える」と感じる人もいるかもしれません。このページでは、まず資料で確かめられる「見られなくなった例」を古い順に見て、そのあと「どこまで本当に残るのか」「何が分かれ目なのか」を、分かっていることと編集部の推測を分けて整理します。

見られなくなった物たち──終わり方はいろいろ

『ジオシティーズ』──運営の手元のデータも削除と案内された

日本の個人ホームページの代表的な場所だったのが、『Yahoo!ジオシティーズ』(以下『ジオシティーズ』)です。Impress Watchの2018年10月1日の報道によると、ヤフーはこのサービスの終了を発表し、ホームページの表示は2019年3月31日までと伝えられました。理由は「採算面や、今後システムを維持するためのテクノロジーに関する複数の課題などを総合的に判断した結果」と説明されています。なお、発表日そのものは記事に書かれていないため、ここでは報道の日付を使っています。

表示が止まったあとも、ファイルを転送して手元に取り出す方法(FTP)は2020年3月31日まで使えました。Impress Watch Forestの2020年3月31日の報道では、3月31日がデータを取り出せる期限で、4月1日以降はすべてのデータが削除され、ダウンロードもできなくなると案内されたと伝えられています(2018年の発表を伝えたImpress Watchの報道では「同日に全データが削除される」という書き方でした)。報道の日付から数えると、終了の報道から表示終了までは約半年です。

つまり、運営の手元の分は、2020年の春に、すべてなくなる予定と案内されていました。いま残っているとしたら、その前に誰かがコピーを取っていた場合だけです。日本版がどれだけ別の場所に保存されたかは、はっきり分かっていません(後ほど「残そうとした人たち」で触れます)。

『Flash』──作品より、動かす道具が先に終わった

『Flash』は、アニメやゲームを作って動かすための道具でした。ブラウザ(ネットを見るアプリ)の中で動いたので、個人が作った作品が広く遊ばれました。Adobeの公式ページによると、終了の予告は2017年7月で、2020年12月31日に更新やセキュリティの修正の提供が終わり、2021年1月12日からは『Flash』の作品が『Flash Player』で動かないようにブロックされました。

ここで大事なのは、作品のファイルそのものが一斉に消えたとは書かれていない点です。公式の環境では動かなくなった、というのが確認できることです。見られなくなった作品の総数は分かっていません。

当時の『Flash』作品が好まれた空気については、「みんながいなかったから楽しかった」──おもしろフラッシュ時代のインターネット論が46万表示のバズが扱っています。動かす道具が終わると作品が見られなくなる、という今回の話の前提になる時代です。

『はてなダイアリー』と『Vine』──引っ越しの口があった終わり方

同じ「終わり」でも、引っ越しの口が用意されたものもあります。

『はてなダイアリー』は、2018年8月30日に「2019年春」の終了と『はてなブログ』への統合が発表されました。はてなの公式ブログの追記によると、2019年7月26日に自動での移行が完了しています。移行では記事・コメント・ブックマーク・スターが引き継がれ、古い記事のアドレスから移行先の記事へ自動で転送される仕組みがありました。ほかのサービスに移るための書き出し(Movable Type形式とCSV)もありました。移行しなかった公開済みの投稿は「引き続き閲覧できる状態を維持するように予定」と2018年の発表には書かれていますが、いまの状態は編集部では確認していません。

短い動画の『Vine』は、The Next Web(2017年1月5日)によると、Twitterが2016年10月に閉鎖を発表し、2017年1月17日に投稿の場としては終わりました。サイトは見るだけのアーカイブになり、投稿者向けのダウンロード機能も用意された、と報じられています。ただし、Twitterの発表の原文は編集部では確認できていません。

この4つを並べると、ネットの「終わり」は一つの形ではありません。引っ越しやダウンロードの口があったかどうかで、利用者の手元に残る物が変わりそうだ、というのが編集部の見方です。

2026年9月の『LINE VOOM』──最近のもう一つの例

最近の例が、LINEの中にあった動画を見る場所『LINE VOOM』です。LINEヤフーの告知(2026年7月15日掲載)によると、2026年9月30日(水)に提供を終了しました。Impress Watchは、終了時刻を11時ごろと伝え、開始は2021年11月なので約4年10か月だったと報じています。もとはLINEの「タイムライン」を刷新する形で始まったサービスで(Impress Watch(2021年11月1日))、友だちの投稿が並ぶ形から、フォローした相手の投稿を見る形に変わっていました。

LINEヘルプには、終了後はVOOMを開くことも、自分の投稿のデータを見ることも、復元することもできないと書かれています。残すには、終了前のバックアップの申請が必要で、受付は2026年7月15日から9月30日まででした。申請の受付はすでに終わっています。完了するとPCからダウンロードでき、ダウンロードできるのはバックアップ完了後の30日間とされています。LINE公式アカウントから投稿したデータは、バックアップの対象外です。

終わる理由について、LINEヘルプの終了ページには「サービス提供体制の見直しおよび体験価値の再編に伴い」と書かれています(KAI-YOUも同じ文言を報じています)。作り方や見せ方を組み直す、という意味です。

利用者の受け止め方は、一つではありませんでした。ITmedia Mobile(2026年7月24日)は、終了が決まったあと、Xでは「残念」「寂しい」という声がありつつ、それ以上に「やっと終わってくれる」「歓迎」という反応が多かったと報じています。ただし、この記事の中心は、保護者を悩ませた面の話です。好きだった人も、苦手だった人もいたとみられます。好き嫌いと、自分の投稿が見られなくなることは別の話で、バックアップを取らなかった人の投稿は、もう見られません。

なお、LINEヘルプの終了ページは2026年10月2日に更新されていて、「新しいLINE VOOM」をうたうサイトは無関係で、新しいVOOMのサービスは提供しない、という注意が書かれています(2026年10月15日確認。どの部分が10月2日の追記かは、ページに履歴がなく分かりません)。

残そうとした人たち

消えそうなとき、助けた人たちもいます。

アメリカ版の『GeoCities』は、閉鎖される前に、「Archive Team」という有志の団体が大量にコピーを取りました。団体のWikiによると、2009年4月から10月にかけて集め、そのコピーを公開しています(公開日は、確認できた資料に書かれていないため記しません)。団体自身が「品質にはばらつきがあるが非常に大量」と説明しています。一方、Gigazine(英語版、2019年8月26日)は、アメリカ版の復元プロジェクトに日本版は含まれていないと報じています。日本版が同じ規模で残っているかは、はっきり分かっていません。

『Flash』は、動かす側が残されました。『Ruffle』は、『Flash』をブラウザの中で動かす公開ソフト(エミュレーター。古い道具の動きをまねて、いまの環境で動かす仕組み)です。『Flashpoint』は、2017年12月に始まった、ゲームやアニメを保存するプロジェクトで、20万件を超える作品に対応していると公式サイトに書かれています。ただし20万件は「保存した数」で、見られなくなった作品の総数ではありません。Internet Archiveも、2020年11月19日に『Flash』作品の再生保存を始めました。『Ruffle』との互換性は100%ではない、とも自分で書いています。

その『Internet Archive』は、ウェブページを保存している非営利の図書館です。公式ブログ(2025年10月31日)によると、保存したページは2025年10月に1兆件に達しました。日本では、国立国会図書館のインターネット資料収集保存事業(WARP)が、国の機関や地方公共団体などのサイトを法律に基づいて網羅的に集め、それ以外は発信者の許諾を得て選んで集めています。個人サイトの扱いは、そのページには書かれておらず、分かっていません。

つまり、全部が自動で残る保証はありません。個人の投稿が自動で入る保証も、確認できていません。

「一生残る」はどこまで本当?

数字で見てみます。Pew Research Center(2024年5月17日)は、ウェブのページを集めた『Common Crawl』というデータから、各年約9万ページ、合計100万ページ弱を取り出して、2023年10月時点で見られるかを調べました。見られないと数えたのは、「存在しない」を示す9種類のエラーが出たものだけなので、保守的な数え方です。

  • 2013年のページ:38%が見られない
  • 2023年のページ:8%が見られない
  • 2013年から2023年のページ全体:25%が見られない

2013年のページの38%は、約10年で3つに1つ以上という割合です。全体の25%と混ぜないでください。

ツイートも調べています。2023年3月8日から4月27日に投稿された約500万件のうち、2023年6月15日までに18%が公開では見られなくなっていました。理由の多くは、アカウントが非公開・停止・削除されたり、投稿が消されたりしたことです。投稿から1時間以内に1%、1日以内に3%、1週間以内に10%、1か月以内に15%が見られなくなったとされています。

ですから、「一生残る」は、少なくとも全部には当てはまりません。一方で、「一部は長く残る」ことも、前の章のアーカイブから分かります。

編集部の整理──分かれ目は「誰かが持っているか」

ここからは、資料がそう書いているわけではない、編集部の整理です。

編集部は、残る物と消える物の分かれ目は「誰かがコピーを持っているか」ではないかと考えています。いったん広く出回った物は、ほかの人に保存されたり引用されたりして、残りやすいのかもしれません。反対に、自分のアカウントの中にしかない物は、その場所が閉じたら終わりです。自分だけが見られる設定の物やログインが要る場所の物は、保存する人が入れないので、いちばん消えやすい、と見ています。ただし、鍵をかけた投稿でも、見せた相手が保存すれば、そのコピーは残ることがあります。

この見方だと、「消えない」と「消える」は両方とも本当になります。「消えない」は、コピーされた物の話。「消える」は、元の置き場所が閉じる話です。『ジオシティーズ』の運営の手元の分が削除と案内されたことや、アメリカ版だけ有志が大量にコピーを取っていたことも、この見方と矛盾しません。

ただし、これは証明された話ではありません。Pewの調べは、コピーされていたかどうかまでは調べていません。どちらが多いかも調べていませんし、「必ず消える」「必ず残る」とも言えません。

自分の物を守るために

自分でも持っておくと、サービスが終わっても手元に残ります。いくつかのサービスには「データの書き出し」があり、自分の投稿や写真をファイルにしてダウンロードできます。

確認できたのはGoogleの『Takeout』(Googleデータのエクスポート)です。公式のヘルプには、メール、ドキュメント、カレンダー、フォト、YouTubeの動画などを選んでファイルにまとめられると書かれています。作られたアーカイブは約7日で期限が切れ、1つのアーカイブにつきダウンロードは5回までです。ダウンロードしても、Google側のデータは削除されません。2か月ごと・1年間の定期エクスポートも選べます。

『X』や『Instagram』にもデータを書き出す機能があるようですが、編集部は公式ヘルプの本文を確認できていません。手順や期限は、ここでは書きません。書き出しがないサービスもありますし、画面や期限も変わるので、いつも使っている場所のヘルプで「書き出し」を探してください。LINE全体の書き出し機能も、公式ヘルプでは確認できていません。

期限の目安として、『LINE VOOM』は発表から終了まで約2か月半でした。『ジオシティーズ』の表示終了は、終了の報道から約半年後です。終わりの発表が出たら、まず期限を見てください。大事な物は、別の場所にも置いておくと安心です。

年表で見ると──終わりの前に、口はあったか

年・日付 できごと 確かさ
2009年4月〜10月 アメリカ版『GeoCities』が閉鎖(閉鎖の予告は10月26日)。Archive Teamなどが閉鎖前にコピーを取る 有志団体の記録・報道
2016年10月 『Vine』の閉鎖が発表されたと報じられる 報道(発表の原文は未確認)
2017年1月17日 『Vine』が投稿の場としては終わり、サイトは見るだけのアーカイブに 報道
2017年7月 Adobeが『Flash』の終了を予告 公式
2017年12月 『Flashpoint』が始まる 公式サイト
2018年8月30日 『はてなダイアリー』の終了と『はてなブログ』への統合が発表される 公式
2018年10月1日(報道日) 『ジオシティーズ』の終了が報じられる(発表日そのものは記事に書かれていない) 報道
2019年3月31日 『ジオシティーズ』のホームページ表示が終了 報道(発表内容)
2019年7月26日 『はてなダイアリー』の自動移行が完了 公式
2020年3月31日 『ジオシティーズ』のデータ取り出しの期限(窓の杜)。4月1日以降は全データを削除と案内(2018年の報道では「同日に削除」) 報道
2020年11月19日 Internet Archiveが『Flash』の再生保存を開始 公式ブログ
2020年12月31日 『Flash』のサポート終了 公式
2021年1月12日 『Flash』の作品が『Flash Player』で動かないようブロックされる 公式
2021年11月 『LINE VOOM』が始まる(「タイムライン」の刷新) 報道
2024年5月17日 Pew Research Centerが「消えるウェブページ」の調査を公開 調査機関
2025年10月 Internet Archiveの保存ページが1兆件に 公式
2026年7月15日 『LINE VOOM』の終了が告知される。バックアップの受付開始 公式告知
2026年9月30日 『LINE VOOM』が終了。バックアップの受付も終了 公式告知・報道

年表を見ると、『はてなダイアリー』と『Vine』には引っ越しやダウンロードの口があり、『ジオシティーズ』は取り出しの期限の翌日から全データが削除されると案内されていました(2018年の発表では「同日」とされていました)。口の有無が残る量にどう効いたのかを数字で示す調査は、見つかっていません。

まだ分かっていないこと

  • 『LINE VOOM』の「タイムライン」時代の過去の投稿が、移行のときにどう扱われたか
  • 日本版『ジオシティーズ』が、別の場所にどれだけ保存されているか
  • 『Vine』の閉鎖発表の原文(Twitterの公式発表)
  • 『Flash』の見られなくなった作品の総数
  • 『はてなダイアリー』の移行しなかった投稿が、いまも閲覧できる状態かどうか
  • 『X』『Instagram』の現行のデータ書き出しの手順(公式ヘルプの本文)、LINE全体の書き出し機能
  • 国立国会図書館が個人サイトを収集しているか
  • 日本のサービスについて、消えた割合を示す統計

新しい資料が見つかったら、このページに書き足します。

今につながる話

自分の物を「置いてある場所」が止まったとき、手元に何が残るのか。2026年10月には、電子書籍ストア『コミックシーモア』が不正アクセスを受けてサービスを停止しました。10月19日12時時点で、再開の日時は発表されていません。今回は「終了」ではなく「停止」なので、このページの『ジオシティーズ』や『LINE VOOM』と同じ話とは言えません。買った電子書籍はどこまで読めるのか、公式の発表と報道で分かる範囲と分からない範囲は、『コミックシーモア』の停止で、買った電子書籍はどこまで読める? 公式発表と規約から整理で順番に整理しています。

個人が作った無料のブラウザゲームが急に広がる出来事も、いまも起きています。2026年10月の『80億分の1』を整理した『80億分の1』はなぜ話題に? AIと約4時間で作られたと報じられたゲームの広がり方を整理では、『Flash』の時代にも個人の作品が広く遊ばれたことに触れています。こうした作品を、遊べる形でいつまで残せるのかは、『Flash』の例から編集部が気になっている点です(『80億分の1』の保存の状況は調べていません)。

この整理から言えるのは、編集部の見方として、サービス上の投稿は消えることがあっても、保存されたり転載されたりしたコピーは残りうる、ということです。自分の物がどちらに当たるかは、置き場所と、誰かが持っているかで変わります。

サービス上の投稿は消えることがあっても、保存・転載されたコピーは回収できません。身近な例として、運動会の写真をSNSに載せるときの注意点を整理したのが、運動会の写真をSNSに載せると何がまずい? 他の子の写り込みと位置情報、載せ方を整理です。

主な出典

更新履歴

  • 2026年10月18日 初版(根拠の再確認は10月14日・15日。10月18日時点の情報)
  • 2026年10月19日 独立チェックの指摘を反映(Archive Teamの公開日を外す、ジオシティーズの削除日の書き分け、『LINE VOOM』の終了理由をLINEヘルプの原文に)

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