このワダイ、3行で
- ポケモン初の公式生態図鑑『ポケモン生態図鑑』が発売後すぐに大幅重版、60万部を突破しました。
- 執筆者は東京大学で博士号を取得した株式会社ポケモンの米原善成氏で、行動生態学の視点からポケモンを解説しています。
- 子どもから大人まで楽しめると話題ですが、「学術的すぎる」「子ども向け」と評価が分かれる面もあります。
ポケットモンスターシリーズ初となる公式生態図鑑『ポケモン生態図鑑』(小学館)が、2025年6月18日に発売されました。発売後すぐに大幅重版がかかり、累計60万部を突破しています。
本書は、ゲーム内の設定を「もしポケモンが実在したら?」という視点で学術的に読み解くという、これまでにないアプローチの図鑑です。執筆を担当したのは農学博士であり、現在は株式会社ポケモンに勤務する米原善成氏。「東大博士がポケモンを研究する」というインパクトが発売前からSNSで話題になりました。
「リアル博士」が書いたポケモンの生態
米原善成氏は東京大学大学院農学生命科学研究科で博士号を取得した、動物の行動生態学の専門家です。現在は株式会社ポケモンでゲーム開発に携わっています。
イラストを担当したきのしたちひろ氏も同じく東大大学院で博士号を取得しており、「博士号を持つ2人が作ったポケモン図鑑」という異例の制作体制が注目を集めました。東京大学の公式サイトでも2人の対談記事が掲載されています。
図鑑では、ピカチュウの電気袋の仕組みを実在の電気ウナギと比較したり、カビゴンの食事量を実在の大型哺乳類と対比したりと、行動生態学の知見をポケモンの世界に応用しています。ゲーム内のポケモン図鑑の説明文を出発点に、「この生態は現実の生物学でどう説明できるか」を掘り下げる構成です。
60万部突破──「子どもも大人も」の反響
発売後の反響は大きく、HugKum(小学館)の報道によれば、発売後すぐに大幅重版がかかりました。
読者の感想は世代によって分かれています。ポケモンファンの大人からは「ポケモンの世界がさらに深くなった」「生態学の入門書としても読める」と高評価です。子どもを持つ親からは「子どもがポケモンを通じて科学に興味を持つきっかけになった」という声も寄せられています。
一方で、読書メーターなどのレビューサイトでは「内容は子ども向けで物足りない」という意見や、「もっと掘り下げてほしかった」という声も見られます。学術書としての深さを期待した大人と、図鑑としての楽しさを求める子どもの間で、ターゲット層の幅広さゆえの評価の分かれが起きているようです。
「ポケモン×学問」の系譜
ポケモンと学術的なアプローチの組み合わせは、今回が初めてではありません。ポケモンの生態や進化に関する考察は、ファンコミュニティでは長年にわたって行われてきました。
しかし、公式がこれを正面から取り上げ、実際に博士号を持つ研究者が執筆するというのは画期的です。ゲームの世界観を科学の切り口で楽しむという提案は、「ポケモンは子ども向け」という固定観念を崩し、知的好奇心を刺激するコンテンツとして新しい層にもリーチしています。
米原氏は東大公式サイトの対談で「現実世界とポケモンの世界を行き来しながら想像の幅を広げてほしい」と語っており、単なるキャラクター図鑑ではなく「思考のツール」としての本書の意図がうかがえます。



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